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クリスティーナ・ブランコ

一枚のCDを入手した。

なんとも言えない、、、心を掴まれる甘美な歌声。
どこか懐かしい、どこかもの悲しい音楽。

CRISTINA BRANCO(クリスティーナ・ブランコ)。
1972年ポルトガル出身、1998年オランダでデビュー、2004年には来日もしている。
僕と同い年の彼女の歌声は、透明度が高く、甘く、それでいて力強さをも感じる。

昨年旅行したポルトガルの話をした後輩から勧められた一枚がこのUlisses(ユリシーズ)である。ライナーノートによると、ユリシーズはギリシャ神話の英雄でありリスボンの街を築いたとされる神ということだ。

ポルトガル、リスボン、、、そう、彼女の音楽基盤はリスボンで生まれアマリア・ロドリゲスにより世界に広められたファドにある。特徴あるポルトガルギターの音色が、昨年の夏リスボンで幾度か足を運んだファドハウスのほの暗い雰囲気やファディスタを思い出させる。

この、”ユリシーズ”では純粋なファドではなく、ファドのテイストとJazzのテイストが融合したような雰囲気を創り出している。ファドでは使用されないピアノが伴奏をつとめてることからも、伝統的なファドとは異なることがわかる。選曲もポルトガルのファドだけでなく、アルゼンチンやカナダの曲が含まれている。

2曲紹介したい。

2曲目の「アルフォンシーナと海」。
アルゼンチンのアリエル・ラミレス作曲。
彼女の甘美な歌声がひときわ美しく感じられる。間奏部ではポルトガルギターが旋律を奏で、ファド的な哀愁が漂う。

4曲目の「丸いことば」。
ピアノの美しいアルペジオの上で彼女の甘く切ない声でしっとりと歌われている。
時々ポルトガルギターのヴィブラートが効果的に使われている。
このCDで僕が一番好きな曲だ。
この曲は独裁政権下で投獄されたジョゼ・アフォンソの作品で、検閲を免れるため意味不明の歌詞となっているそうだ。僕も昨年旅行した時にガイドブックで初めて知ったことだが、ポルトガルは今でこそEUに加盟する現代国家だが、1974年まで独裁政権が敷かれヨーロッパで最も近代化が遅れていた国なのだ。僕やクリスティーナ・ブランコが生まれた翌年に無血革命(カーネーション革命)がおこり、ジョゼ・アフォンソの曲が革命のテーマ曲となったそうだ(この曲ではないです)。

いずれもこちらから試聴できる。
<a href="http://www.universal-music.co.jp/classics/non_cla/christina_branco/discography.html">http://www.universal-music.co.jp/classics/non_cla/christina_branco/discography.html</a >

これまでポルトガルの音楽はファドというジャンルでしかとらえておらず、一人一人のアーティストにはほとんど注目してなかった。(せいぜいアマリア・ロドリゲスを知っていた程度。)

僕のリストにまた一人、注目すべきアーティストの名が加えられた。