退職後2年目冬の話が続きます。

 

 前回年末に郵便事業会社で繁忙期短期アルバイトをしたことを話した。これで崩れた生活のリズムを取り戻すのに約2週間は必要だった。

 

 職安には受給資格者証と郵便事業会社の退職証明書を持って再度求職の申し込みに行くことで雇用保険の受給は再開される。これで私は約1ヶ月間雇用保険の受給を先延ばしにすることができたが、タイムリミットは3ヶ月先と厳しい状況であることには変わらなかった。

 

 この頃はアメリカを中心として世界経済が混乱に陥っていた。日本もその影響を受けて外需頼みの好況に陰りが見え始めていた。雇用をめぐる環境は厳しさを増していた。

 

 そんな中で私はインターネットを通じた活動と職安を通じた活動を進めて再就職を目指していたが、既に退職して2年近くが経っているというブランクが長いことも活動を厳しくさせていた。ただ、春には少し求人が増える傾向があるので、雇用保険が支給満了になるまでには何とかしたいと考えていた。

 

 以前には焦るあまり自分が何をやりたいかを見失っていた時期もあったが、私はこの頃には株式会社の経理事務を担当することで自分のキャリア向上と社会貢献を目指すことに方針は固まっていた。履歴書や職務経歴書も一部書き直して自分の経験と目的が一致するように面接時にアピールできるよう準備を進めた。

 

 それでもこの時私は34歳になっていた。もう転職するにはギリギリの年齢になっていた。何社か気になった案件は職安で紹介状をもらって応募しても書類選考も通らない苦しい活動は相変わらず続いていた。

 

 私はこのまま再就職が決まらないまま雇用保険が切れて無収入になると言う最悪のシナリオも想定しなければいけなくなった。無収入になるとどうなるか。支出は住宅ローン4万3000円、主食費1万円、副食費3万5000円、生命保険料2万円、光熱費2万円、通信費1万円、雑費1万円が最低でも必要になるので毎月の赤字は約15万円にのぼる。オークションで若干の収入が確保できたとしても10万円を超える赤字が毎月発生することは必至だった。

 

 このときには退職金には手をつけていなかったほか、虎の子の資産が数百万円あったのですぐに生活が行き詰まることはないにしても資産はひとたび取り崩し出すとなくなるスピードは早い。もう私は崖っぷちにまで追い詰められていた。

 

 ここで前の職場のパワハラ管理職のことが脳裏に浮かんだ。私は、

 

「絶対あいつらの言っていた通りになってたまるか!」

 

と思いながら歯を食いしばりながら活動を進めていたが、それもむなしく雇用保険の受給期間満了のタイムリミットは3月にやってきた。

 

 雇用保険が受給期間満了になっても職安では引き続き求人への応募や職業相談などのサポートは引き続き受けることができる。私の苦しい戦いはこの後も続くことになった。

 

 2年近い公的給付で生き長らえてきた私ですがいよいよ万事休すか。それとも逆転劇がまたしても待っているのか。予定を珍しく1話繰り上げ、次回が雌伏期最終回です。

 

 

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