敷居を跨いで、小躍りした。
阪急西北駅駅前の繁盛行列店「番馬亭」に入れたからだ。西北でこの店に入ったことないともぐりと言われますが、ぼくも潜っていた。
西北に住み、引っ越しした人が街に帰ると行きたくなる店ナンバーワンだという。
迷わず名物のカレー蕎麦を注文する。
しばし待って、カウンター席に到着。
大きな器から湯気があがり、出汁は黄色く、プンプンとカレーのうまそうな香りが漂っている。
適度にシャバシャバのカレー出汁の海に蕎麦、牛肉、玉ねぎ、かまぼこといった金銀財宝がわんさか入っている。
出汁をすする。甘辛く、熱くてうまい。底から蕎麦をすくってすする。カレー出汁と借らんでうまい。牛肉は薄めで、おいしい。玉ねぎは熱い出汁に煮えるよう生で入れてあるのか、でも甘くていい。かまぼこの刻んだのが入っていてアクセントになっている。
再度、カレー出汁をごくごく飲むと刺々しい辛さが鼻腔と喉を刺激する。
水を飲んで中和させる。おおむねカレー味だが、そばつゆの微妙な味がさりげなく感じられる。
蕎麦の香りや鰹出汁なんてカレー粉の匂いでどっかに消えてしまうのもわかってる。でもうまい。
汗をかきかき、カレーの汁をとばしつつ、おいしくいただいた。
御約束のシャツへの黄色いシミを残して店をあとにした。