大阪人というのは、実に粉もんが大好きな人種でありまして、中でもたこ焼き、お好み焼きといったソースのかかったものが大好物なんです。


粉もんをおかずにして、ご飯を食べるというのも、言葉通り日常茶飯事でありまして、お好み焼きをおかずにして、ご飯を食べるなんか、朝飯前のちょちょいのちょいなのです。

肉食主義者が荒々しく、精力的になる一方、粉もん主義者は、「まあ、ええやん」、「しゃーないなー」とどっちつかずのあいまいさをよしとする、ええ加減な性格を有するようになってしまうのです。

さらに、ソースが大好きな人種でありまして、粉もんにはソースをたっぷりとつけて、ソース味を味わう食べ物とさえ、いえまんねん。


お好み焼きやたこ焼きには、たっぷりソースを塗ります。その上に青海苔とかつお節をこれでもかというくらい、振りかけますねん。マヨネーズも当たり前ですわ。たいていの店では、置いてますけど、なかでもチューブごと、あるいは小袋ごと出してくれはると、ほんまええ店や思いまんねん。ネギ、紅しょうがなんかの薬味も焼く身からしたら命やさかいにショウガがないなんてゆるしまへんで。

嫁が留守してたら、ほっとしますやろ。そりゃ、たこ焼きみたいなもんで
爪楊枝(妻、用事)があれば安心でしてな。

お好み焼きも、人様に金借りるんと同じでヘラないとこまりますさかいに。

でも、大阪なめたらあきまへんで。鰻丼頼んだのに、まむしなんて怖いもんが出てくることおますさかいにせいぜい気いつけなはれや。鰻も背開きやけんど、侍の志も持ってますさかいに。
モダン焼きなんかコテさばきとメンが命ですわ。作るのが面倒(麺・胴)なんて言うてたらあきまへん。

同じテーブルについたもん同士、「大阪に乾杯」でも飲みながら、ぼちぼちいきまひょか?


乗りかかった舟ですから…。