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娘の小学校入学式に行ってきた。
「ピカピカの一年生だ」
何をやるにも新鮮で、喜びを顔にみなぎらせている。
幸せがチューリップ畑のように一面に広がっている。



教室でオリエンテーションが行われる。
新しい制服の新一年生たちが小鳥たちのようにかわよげで、自由で、かわいい声を出している。




傷ひとつないつやつやのランドセルが椅子に掛けられ、配れたての教科書と色とりどりの新品のペンシルケースが机の上に置かれている。






自分の小学校入学の頃の記憶を思い起こしてみた。
ほとんど何も覚えていない。
ただ、母にわがまま言って「象が踏んでも壊れない!」鉛筆箱を買ってもらった記憶は残っている。
今でも本当に感謝している。

ある日、新一年生になりたての同級生たちがもの珍しさに集まってきた。
「あっきん、ええ筆箱もってんなー」
「そやろ、ええやろ」
「一回、壊れないか?試しに踏ませてや!」
「ええで」







一応気を遣ってくれて、一番小さい丸岡君が片足で踏んだ。
なんともない。
次は、両足で踏みつけた。
なんともない。
全体重をかけて踏みつけた。
全然大丈夫。
思いっきりジャンプして、踏みつけた。
「象が踏んでも壊れない!」鉛筆箱は、バキッっと大きな音を立て、大きな象の登場を待たずに小僧の体重でものの見事に砕け散った。


しばらくして、武政君が新発売で話題の「飛び出す筆箱」を購入した。
武政君は有頂天。
みんなうらやましくて仕方なかった。
授業開始前に武政君の周りに人だかりができる。
「武政君、ボタン押させて!」
ボタンを押すと鉛筆が入ったシートがマッサージ機のようにスムーズに浮上してくる。
「ぼくにも押させて!」
ビョーン。
「おれにも押させて!」
ビョーン。
「私にも押させて!」
ビョーン。






武政君の鼻は伸びていく一方。
授業が始まる。
担任の角野先生が教室に入ってくる。
皆立ち上がり、当番の広瀬君が大きな声で号令をかける。
「起立!礼!着席!!!」

ふと横見るとお辞儀した際、おそらく頭でボタンを押してしまったであろう武政君の額に1本の鉛筆が見事に起立し、血がにじんでいた。

おしまい。


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