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【乗車:2018.5.20】

     (2024.4.25更新)

JR肥薩線は、熊本県八代市の八代駅を起点とし、人吉、吉松を経て鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶ全長124.2kmのJR九州の路線(地方交通線)です。

全線単線非電化です。

肥薩線は人吉駅、吉松駅を境に3つの区域に分かれ、それぞれに特徴があります。

①八代〜人吉・・・球磨川沿いを行く「川線」と呼ばれる区域

②人吉〜吉松・・・高低差430mの山間部を抜ける「山線」と呼ばれる区域

③吉松〜隼人・・・山間部と農村を走っていき、利用者の多い区域

今回は、山間部を抜ける「山線」と呼ばれる区域を行きます。

肥薩線は人吉駅、吉松駅を境に3つの区域に分かれ、それぞれに特徴があります。

①八代〜人吉・・・球磨川沿いを行く「川線」と呼ばれる区域

②人吉〜吉松・・・高低差430mの山間部を抜ける「山線」と呼ばれる区域

③吉松〜隼人・・・山間部と農村を走っていき、利用者の多い区域

今回は、山間部を抜ける「山線」と呼ばれる区域を行きます。

2020(礼和2)年7月豪雨により、現在も八代〜吉松間が不通となっています。

一日も早い復旧を願います。

今回は、2018年5月の「いさぶろう・しんぺい」号の乗車記です。

 ↑人吉駅

【起点(八代)から51.8km

駅本屋直結の単式ホーム1面+島式ホーム2面4線の計3面5線を有している、JR九州くま川鉄道との共用駅です。

同じ駅ですが、駅名は鉄道会社により、それぞれ違います。

JR・・・「人吉」駅

くま川鉄道・・・「人吉温泉」駅

JR(人吉駅)は駅本屋側の島式1面2線を使用し、あとの島式1面2線は元国鉄湯前線のくま川鉄道(人吉温泉駅)が使用しています。


↑観光列車「いさぶろう3号」に乗って吉松に向かいます。

観光列車「いさぶろう」は、キハ47系を使用し、熊本駅を始発駅として、人吉駅までは特急で来て、人吉駅からは先、普通列車となります。

(※追記:「いさぶろう・しんぺい」に使用されていたキハ47系(キハ47 9082)は改造が施され、久大本線の観光列車になる、との事)

人吉駅を発車、くま川鉄道と並走し、相良藩願成寺駅の前を通過、右にカーブしたのち、球磨川(球磨川第一橋梁)を渡ります。

球磨川を渡った後、しばらくの間、九州自動車道と並ぶようにして走り、離れていくように山中に入っていきます。勾配を上っていくのが気動車のエンジン音でわかります。

トンネルとカーブが続いた後、大畑ループにさしかかり、大畑駅に到着します。

        ↑大畑駅

【累計62.2km、前駅(人吉)から10.4km

「おこば」と読みます。

島式ホーム1面2線を有する駅で、無人駅ですが、発車ベルはあります。

人吉~大畑間の駅間距離は10.4kmあり、上り勾配ということも重なって所要時間は15分ほどかかりました。

7、8分ほどの停車時間の間、駅周辺を探索します。

↑大畑駅は日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅で知られています。

1909(明治42)年、肥薩線が鹿児島本線として開通した時に開業しました。

↑島式ホーム1面2線構造の大畑駅は行き違いが可能となっています。

↑大畑駅駅舎。開業当時のものではありますが、「いさぶろう・しんぺい」のリニューアルに合わせて、当時の雰囲気を再現する改装が施されています。


↑ 駅舎内。自分の名刺を貼ると出世するという話から、駅時刻表のまわりに大量の名刺が貼られています。

駅時刻表を見れば、人吉、吉松両方向とも3本/日しかありません・・・

いさぶろう・しんぺい以外の列車はわずか1往復のみです・・・

(人吉〜吉松間全駅も同じ)

↑大畑の駅前通りです。

神社がある以外、商店はおろか、民家もないように見えますが、駅横には旧保線区詰所を改装したレストランができました。(現在休業中)

また、近くの集落まで徒歩で約1時間かかるそうです・・・

ちなみに駅近くの神社の鳥居は、駅改装時に撤去された人吉駅の跨線橋の支柱を再利用したものです。

↑大畑駅付近の地図。

近くに人吉梅園があります。

梅園の近くを九州自動車道が走っています。

7、8分ほどの停車時間の末、発車ベルが鳴り、次の矢岳駅に向けて出発します。


↑大畑駅を逆方向で発車して、まずはスイッチバックにさしかかります。

スイッチバックの最中、人吉から来た線路を左に見ます。

スイッチバックの後、円を描くように進み、ループ線が交差するところに出ます。

ここで停車します。

撮影タイムです!

↑画像中央辺りに大畑駅が見えます。

その下の左カーブの線路が人吉から来た線路です。
ひと時の停車時間の後、再び矢岳駅に向けて出発します。
その道中、廃校になったであろう小学校(実際は休校)の横を通ります。

↑矢岳駅手前。
矢岳の集落の民家が点々としています。


↑矢岳駅に到着します。
使われない単式ホームと線路が残ったままになっています。


       ↑矢岳駅
【累計71.7km、前駅(大畑)から9.5km
単式ホーム1面1線の駅で、無人駅です。
2000年のダイヤ改正で急行「えびの」が廃止されるまでは急行停車駅でありました。


↑矢岳駅は肥薩線で最も標高が高い駅であり、標高は536.9mあります。

現在は単式ホームのみですが、最盛期は、このホームの向かい側に島式ホームがあって、上下線3線に加え、貨物の積み下ろし用の線路も3線存在していたそうです。
↑10分ほどの停車時間を利用して、駅周辺を探索してみます。
こちらが矢岳駅の駅舎。
↑駅舎内の様子。駅ノートも用意されています。
↑矢岳駅から続く、一本道の先の集落を臨みます。
山々に囲まれた田畑の向こうに民家が点在しています。

↑矢岳駅付近の地図。

上の写真の道をまっすぐ行ったところに、古民家一棟貸しの宿、「星岳月岳」があります。

一度はこのようなところに泊まってみたいものです・・・

↑吉松方向を見ます。右に人吉市SL展示館が見えます。

D51 170が展示されております。
かつては58654(8620形)も並べて展示されていましたが、1988(昭和63)年にJR九州小倉工場に運ばれ、修復工事の末、現役復帰し、2009年(平成21)年から「SL人吉」で活躍していました。
しかし、2020(令和2)年のコロナ対策で「SL人吉」の運休が続いて活躍できず、同年の球磨川水害で肥薩線が被災したということもあって、肥薩線から鹿児島本線(主に博多〜熊本間)に活躍の場が移されました。
↑そして2020(令和2)年11〜12月に「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の公開を機にJR九州「鬼滅の刃」とコラボし、58654に「無限」プレートを掲げ、鹿児島本線熊本~博多間を「SL鬼滅の刃」という列車名で走り、リアル無限列車として活躍した時もありました。
(ちなみに「鬼滅の刃」の作者、吾峠呼世晴さんの出身地は福岡県)


↑しばらくの間、「SL人吉」として活躍していましたが、機関車の老朽化、部品調達や技術者が少なくなってきているということから、2024年3月24日、「SL人吉」の営業運転が終了、そして58654による運用も終了し、58654は再びこちらで保存されるという噂もあります。

(上の画像は2023.7.23、久留米駅にて撮影)

10分ほどの停車時間の末、次の真幸駅に向かいます。
次の矢岳~吉松間に続きます。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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