銀行に勤めて10年以上が経つ。
最近、銀行を辞めてゆく若者たちが増えている。
入行後わずか2~3年から、30代中堅行員まで幅広い。
まあ銀行に限らず、市場価値から考えれば(僕も含めて)中高年は以降の転職はちょっと難しいので、辞めない。
定年まで逃げ切ろうとふんばっている。
毎月のように人事通達が出るが、若者の「依願退職」の文字が多い。
せっかく高い競争率を勝ち抜いて入行したのにもったいない、と多くの人は思う。
親はもっと思っているだろう。
公務員やIT企業などへの転職、結婚が理由などもちろんあるが、そうでないケースも実は多いと聞く。
必ずしも転職ではないケース。
そう、とにかく銀行が「イヤ」ということ。
上司・周囲からのパワハラ、パワハラまでいかなくても体育会系の古い体質。
重いノルマ、実績至上主義のプレッシャー。
顧客本位ではない「お願い営業」によるうしろめたさ。
こういった背景が理由にある。
例えば、銀行の支店営業は恐らく世間が思っているよりも泥臭くしんどいと思う。
就職人気ランキングが高く花形に見える銀行だが実際はその泥臭さにギャップを感じる。
地域貢献!とか言いつつも、とびこみ訪問や電話営業ができない人は大変ツライ。
例えば小さな支店勤務の場合、その狭いコミニティの中の人間関係に逃げ場がない。
支店長との折り合いが悪い場合などは最悪である。
(その人に人事評価をされるわけなので明るい未来は望めなくなる)
朝8時から夜までその環境で我慢して過ごさなければならない。
心が病む。
そうなった行員は、ある日突然その職場からいなくなり、しばらくした後、人事通達で「人事部付き」への異動リストに載る。
そして数か月後、恐らく傷病手当金が切れる頃だろうか、「依願退職」となる。
「あの子はメンタルだったみたいだよ」
と後でうわさで知る。
なんとも言えない気持ちになる。
その人物を知っていた場合、余計に。
元気でやる気に満ち溢れていた若者が、そうなってしまったと聞いて驚いたことが何度かあった。
でもその子がいなくなっても、周りの仕事は何事もなく進む。
みな、その話題には触れない。
パワハラやいじめた側が、その自覚も反省もなく、十分な責任・罪も問われない、今の理不尽な社会にどこか似ている。
そして顧客本位ではない売り上げ至上主義をいつまで続けるのか。
こういった闇が銀行にはある。