30代半ばの頃だった。

 

CFP資格を取るための勉強をしていた。

6科目の試験を突破しなくてはならず、苦しんだ。

「金融資産設計」という科目は特に苦しんだ。

いままで貯蓄商品を考えたりとか、投資経験など全くないため、何もわからない。

僕のようなバブル世代には多いと思うが、お金を増やすという発想自体がなかった。

明日の、来月の、来年の、お金のことなんて考えてなかった。

だって、世の中右肩上がりだったから。

 

「よし、まずはなにごとも経験だ、投資信託を買ってみよう。」

 

生まれて初めて、運用商品を買うことを考えた。

すべては試験勉強の一環。

投資信託といえば証券会社だが、自分のような若造にはハードルが高く感じたので、平日の有給休暇の日に銀行に行ってみることにした。

当時、銀行の窓口で投資信託の取り扱いを始めたばかりの時代だった。

 

窓口に行く。

ちょっとドキドキしていた。

奥の窓口に「投資信託ご相談窓口」と確か書いてあったと記憶している。

若い女性行員がいた。

恐る恐る「投資信託の購入を考えている」と申し出た。

(こいつ、何を場違いなことを聞くんだろう、と思われるのではないかとびびっていた)

 

「そうですか、実はわたくし、投資信託の研修に行ってきたばかりなんです。ぜひ商品の案内をさせてください!」

 

と元気よく語りかけられた。その笑顔にちょっと安心したが、

大丈夫か・・・・とも思った。

銀行窓販がスタートしてまだ間もない頃だった。

銀行も手さぐりでのスタートだったと思う。

僕は自分のお金で運用するとなると、すごく真剣な気持ちになった。

 

初々しくいろいろ説明されてよく覚えてはいないが、最終的に日本株ファンドと世界株ファンドの積立コースを1銘柄ずつ購入したことは覚えている。

当時、月1万円コースであっても1ファンドあたり初回10万円を購入しなくてはならず、計20万円を支払った。

 

購入を決めた後、ちょっと偉い感じの男性が出てきて簡易応接に通され、「リスク」について延々と説明された。今だからこそわかるが、銀行が顧客面談した記録に残さなくてはならない「運用未経験者へのリスク説明」だったのだろう。

 

これをきっかけに投資信託への興味がわき、いろいろと試した。

当時はまだネット証券は普及しておらず、大手証券に口座作って「るいとう」を始めてみたり、他の銀行で口座開設して別の投信を買ったりした。

株式や外貨の勉強もした。

毎日日経新聞のマーケット欄を見るようになった。

運用結果に一喜一憂した時期もあった。

 

その後、無事にCFPにも合格し、いろいろと研究を重ねた結果、資金の乏しい自分には「投信積立による長期運用」がベストの運用方法だという結論に達し、今はシンプルに投信はイデコ(4銘柄)、積立NISA(2銘柄)、他3銘柄の積立運用、を実践している。派手ではないが順調に増えている。

 

投資信託は一度下がるとなかなか戻らないところが個別株式と大きく違う。

当たり前だが、運用は50%下がった後に50%値上がりしても75%にしかならない。

投資信託は株式などに比べると値下がりも値上がりもじわじわなので、分散投資のデメリットが出てしまい、一度減るとなかなか増えない。

だから一括購入はやめたほうがよいという結論に達した。(やるなら株式がいい)

でも長期積立なら非常に意味があると思うので続けている。

 

年を取ったらリスク運用を減らす、とは考えず、老後資金は投資信託で積極運用を継続しながら取り崩し、公的年金を補完してゆく計画を描いている。

 

定年退職後に働かなくても十分なくらい、投資信託で増やしていきたいが、まだまだ道半ば。

うまく資産形成できればファイナンシャルプランニング相談でいいアドバイスができるはず。

 

そう思って実践している。