予習その4。 | テノール屋さん 望月哲也のブログ

予習その4。

おはようございます。

今日は雨?雪?府中はまだ雪にはなっていないような。。。リサイタル当日に大雪!なんてことにならなければいいのですが。。雨ぐらいは許してください。

さて、今日予習するのは信長貴富さんの「Fragments」。

今回のメイン(メインだらけなんですけどw)。

約14分かかる大曲。

この曲も男声合唱がオリジナル。それを合唱指揮者としても有名なテノールの清水雅彦さんがテノール独唱用に委嘱したものです。

副題として「特攻隊戦死者の手記による」とあります。

特攻隊とは、ご存知の方が多いと思いますが、特別攻撃隊の略称で、太平洋戦争末期に日本軍が編成した部隊のことです。

Fragmentsとは「断片」という意味で、この曲には特攻隊員として散っていった若者達の遺書、メッセージを取り上げ、曲を構成しています。

この曲を取り上げるのはちょっと勇気が要りました。

やはりテーマが非常に重い。

この曲を歌うことによっての他の曲とのバランスなど、プログラム構成でもどの位置に置くか。非常に悩みました。

また別の予習の際に述べますが、こんかいq、日本歌曲を取り上げるに当たって僕の中で3本の柱があったんです。

一つはこの大曲に取り組むこと。そして自分のための新しい曲を創作すること。もう一つは後半のプロについてなんです。

とにかくこの曲なしでは今回のWandererは成立しなかったのです。

それくらい僕に衝撃を与えてくれた曲でした。

僕が聴いたのは男声合唱版ですけど、うーん。

どーん、と心が重くなります。

そしてそれがまさに今現在の世相と被るような気がして。本当に考えさせられます。

この曲を歌うにあたって、鹿児島の知覧も訪れてみました。




横向きになっちゃてるかな。すいません。





とこしえに、というタイトルのついた像。

この先に「知覧特攻平和会館」があります。


www.chiran-tokkou.jp/index.html

ここはぜひ訪れるべき場所だと思います。

ここで、特攻隊員達の最後の言葉を目にして、心拍数が上がりました。怖くなりました。

この曲の中では、まだ20歳前後の若者達が非常に勇ましく、お国のために戦う!という強い決意を見せる場面と、肉親、特に母親に対する思いを吐露する場面の対比が恐ろしいほどに心揺さぶられます。






この飛行機は映画の時に使用した、当時彼らが搭乗した飛行機を復元したもの。

特攻隊をテーマにした映画、ドラマは本当に沢山ありますが、やはりこの場所で観たものが訴えてくるものには遠く及びません。

僕は、偏った考え方をする人間ではありません。

本当に戦争をする国になってはいけないとおもっています。

昨今のISILの件にしても、ウクライナの件にしても。

今、日本にも危険・脅威が迫りつつありますが、9条という世界に誇れる素晴らしいルールを絶対に守っていかないといけない!って本当に思っています。

それはこの特攻隊員として散っていった方たちの生き様そのものだと思ったから。

国に翻弄されて命を落としている人が世界中で多すぎる。

この歴史を繰り返さないためにも、ちゃんと伝えていかないといけないな、って思っています。

ちょっと脱線しかかりました。すいません。

でもね、彼らの言葉に音楽がついたら、それを伝えるのが僕らの役目ではないかと。

真剣に世界平和を祈って。

何が出来るかわからないけど、歌を歌います。


会場にいらして下さる方には是非、開場は1時間前の14時なので、早くいらしてプログラムのテキストに1度目を通して頂いた上で聴いていただけたら幸せです。


おまけ






鹿児島は路面電車天国!

そして、




この時に食べた「首折れ鯖」は信じられない美味さでした。


たまには食レポも。


ではでは。