昔今は無き函館本線の張碓駅へ訪問したことがあった。
もう20年以上も前の話。
今は駅設備も撤去されてしまった。
下記はその時の備忘録。
函館本線張碓駅はハル・ウシ(食料の多いところ)のアイヌ語が転化して名づけられた。
明治38年開業であり、かっては通常駅であったが昭和53年10月に無人化され、
夏の海水浴シーズンのみ駅員が常駐していた。
訪問時は、臨時駅で停車する列車は1本もなく、
鉄道でしか行くことが出来ず、道路に通じる道は皆無であることから、
秘境駅として到達難易度ナンバー1の多くの鉄道ファンにとって魅惑的な駅であった。
朝里不動尊からの私道を使って難なく駅に到達する道があるが、
それではつまらないので国道からの道無き道をたどってダイレクトに
たどりついた記録を目にしたことがなかったので崖を下ることにした。
銭函駅で降りて、国道5号線をひたすら小樽方面に向けて歩く。
張碓町あたりで5号線は谷をまわりこんでいるので遠い・・・。
およそ1時間で張碓トンネル手前の橋に着く。
ヤブヤブヤブで人が降りたような場所はまったく見当たらないし、
獣道のようなものを探したが皆無であったので橋手前から意を決して入り込む。
いきなりヤブヤブヤブに車の巻き上げた粉塵が舞い上がり、前が見えないほどけむい。
当初は沢沿いに下る。駅直下の大滝に出たら右岸沿いのヤブに逃げようと思い、
楽勝じゃんと思いながら歩いて20分後、大滝上に出てあまりの高度感にびびる。
とてもじゃないけど降りられない。
仕方がないので登り返して駅寄りの樹木の中からもう一度降りる。
ものすごい傾斜のところを木々をつかみながら降りていく。
またもや下を見ると崖・・・。
またまた登り返し、もっと駅寄りに下る。
途中、朽ちた虎ロープ(黄色と黒のまだらロープ)を発見した。
しかし、あまりにも急斜面で生えている草木は頼りないものが多く、
一歩一歩だましながら下るのがそうとう怖い。
崖上から通学客や通勤客が通う道があったらしいが絶対にここではないだろう!
やっとのことで駅裏に到着。なんと1時間もかかってしまった。