前回、密教第五祖金剛智三蔵、第六祖不空、第七祖恵果、第八祖空海に触れたので、ついでに密教の祖師全員を見ておこう。
第一祖 大日如来
第二祖 金剛薩埵(こんごうさった)
第三祖 龍孟(りゅうみょう)菩薩(八宗の祖・龍樹のこと 150~250)
第四祖 龍智菩薩
第五祖 金剛智三蔵(?~741)
第六祖 不空和尚(空海はこの人の生まれ変わり 704~774)
第七祖 恵果和尚(中国人 745~805)
第八祖 空海(日本人 774~835)
第一祖「大日如来」は、永遠の宇宙的大生命であり、最高の絶対智をもって、あまねく宇宙世界を照らしておられる。
「菩薩」も、我々人間も、すべて大日如来の「分身」であるから、本質において、皆「平等」である。この大日如来の教えを、「真言密教」という。
第二祖「金剛薩埵」は、第三祖龍孟(りゅうみょう)(龍樹)に伝法灌頂を授け、密教を伝えた。それ以後、真言密教は、
インド 第三・四・五・六祖
中国 第七祖 恵果
日本 第八祖 空海
と、三国に伝来し、人々を救済している。
第三祖「龍孟」(りゅうみょう・龍樹)は、若い時、友人ら四人で相談し、隠身の術で王宮に忍び込み、女官をことごとく犯した。ことが露見して、三人の友は殺され、龍樹だけが助かった。そこで始めて欲望が苦のもとであることをさとり、欲望を捨離して、ヒマラヤ山中で出家した。その後、第二祖金剛薩埵から灌頂を授かり、大乗仏教の極致である密教を世界に広めたのである。中国・日本の諸宗はすべて龍樹の思想を承けているので、彼は
「八宗の祖」
といわれる。