この店の前を、行ったり来たりしながら様子を探ってみます。わたしの様子は、おーきなボストンバッグを左の肩にかけ、さらに左肩から右脇にたすきがけで皮の大きめのショルダーバッグとそれよりは少し小さめの“カルバン・クライン”のショルダーバッグをかけて、うろうろ歩きながら店の中の様子を見ているという、不審といえば不審な行動に見えるでしょうね。まあでも仕方ありません。英語で何と頼めばいいのか、さっぱり思いつかないのです!やっぱりレストラン風はハードルが高すぎる!
横の『takeout』って書いている方の店の方が買いやすそう!近づいてみます、
あー、サンドイッチ美味しそう!えーっとー、あー、ビーフサンドが美味しそう!これにしよう!でも、食べたいかどうかよりも、英語で話して買えるかどうかが問題です!そう、つまり、これを手に取って店の人に「This one please!」って言ったら買えるのかな?飲み物もいるな、ミネラル・ウォーターも手に取ってカウンターに置いて、「And This one please」って言ったら買えるかな!何か聞かれたらどうしよう、“?”みたいな感じで切り抜けられるかな?スマホの翻訳アプリを使う準備をしておこう、と、10分ほどもあれこれ考えて、口の中でブツブツとちょっと練習したりしてから、「よしっ!」と思い切りました!女性の店員さんです、さっき練習したようなことを言いました。店員さんが笑顔でもなく不機嫌でもない、釈然としない表情です。“Credit card O.K.?”とか言ってVISAカードを見せました。“Yah!!”みたいに言ってカードで会計しました。カウンターに瓶が置いてあって、その中に明らかにチップと見られる1ドル札や硬貨が入れてあったので、「Chip!」と言って、その中に1ドル札を入れました、店員さんはちょっと笑顔になりましたが、平然としていました。それでもいいんです!とうとう買えました!アメリカ合衆国で!地球の反対側で!初めて一人で買い物したよー!記念すべき“はじめてのおつかい!”ではなくて“初めての買い物”です!このサンドイッチとミネラル・ウォーターは!
さあ、記念すべき“アメリカ合衆国での初めての買い物!”のサンドイッチをた食べましょう。えーっとー、どこで食べるの?まあ、混んでるところで食べるのはいやだし周りの人も迷惑と思うので、あー、このベンチにしよう。さーて、まず、ミネラル・ウォーターを飲んでた、そういえば、ユナイテッドの機内で朝食を取ってから、水分を全然取っていませんでした。で、パックからビーフサンドを出して、がぶっと一口目!あー、美味しい!アメリカの味がする!(ほんとに⁈)いやほんと!このビーフ、日本には、まずわたしが食べた中にはなかったもののように思います。肉の色が濃いでしょ!サラミソーセージの中の色に近いです。ははーん!成型肉ね!たぶん!まあ、ソーセージやハムは成型肉の一種でしょう。美味しいんです!白いチーズもはさんでいますね。レタスは刻んでとかではなく一枚からばりっとちぎったよう!パンももっちりと歯応えがあって小さい豆が入っています。これがアメリカのサンドイッチか!ビーフサンドか!やはり“食べる”ということは生きる上で極めて重要な上に大きな楽しみでもあるので、それを自分の手で買って食べているという、大きな達成感、充実感を感じながら食べています。あー美味しい!