8/19 旅行10日目。夜のライブハウスに向かうために、先程、チケット販売機と格闘した末になんとか購入した1ウィークチケットのメトロカードを満足そうにちらつかせながら、やはりバスのルートマップと格闘してやっとバス停にたどり着きました。20分ほど待ってやっとバスが来ました。

 ニューヨークのバスについてもいろいろ調べましたが、料金が1$45€という中途半端な金額の上、お釣りは出ないのでちょうどを準備しないといけないとか、チケットはバス停ではなく地下鉄のチケット販売機で買わないといけないとか、でも、メトロカードで地下鉄もバスもOK!とか、なかなかややこしい!でも、地下鉄は周りの景色が見えませんが、バスは街並みや街を闊歩するニューヨーカーや高層ビルを眺めながら乗れるという点は大変魅力があります。なので、バスに乗る決心をしたのです。

 やっとバスが来ました。前の入り口から乗って、前払いらしいから支払い機にチケットのカードを通そうとすると、女性運転手が、“□△※☆!”と歩道のチケット機械を指差します。「えっ?あのチケット機?!」と降りて機械を見て、「えー?!この、バスが待っているという1秒を争う切羽詰まった状況で、英語表示のチケット機!」で、カードを二つあるカード差し込み口に入れようとすると、運転手さんが運転席に座ったままで、大きな声でこちらに向かって“□♤☆♢!※” と何かまくし立てている!もう一つのカード口に入れようとすると、また運転手さんがさらに大きな声で“□★♤☆※♢!”と何かまくし立てている!「えー?!どこどこ?!どうしたらいいの?!」と大慌てのパニック状態になったその時!さーっと右から現れたのは、30代ぐらいのスーツを着てビジネスマン風の男性!その男性が、すーっと手を伸ばして真ん中あたりにある金属製のボタンを指差してくれたのです!「おー!ボタンだったのか!ありがとー!」とボタンを押してカードを入れたら出てきた!ほっとしながら、助けてくれた男性とバスに乗ったら、10人ほどの乗客が、みんな私たちの方を見て、そして微笑んでくれていました。“あなたも旅行者ね、乗り方がわからなくて大変だったわね、助けてあげたあなた、やさしいわね。」と言っているようでした。思わず、「Sorry!sorry!thank you!thank you!」と恥ずかしそうに笑顔で一人一人にお礼を言いました。そして、助けてくれた男性にも、繰り返し繰り返し、「Thank you!」を言いました。

 あのビジネスマン風の男性、ヒーローですよね、わざわざバスから降りて私を助けてくれました。ニューヨークにはスーパーマンとかスパイダーマンとかアイアンマンとか、数々のヒーローがいますが、彼は私のヒーローです。私のヒーローのあなた、困っていたところを助けてくれて、本当にありがとう。