鹽竈神社(宮城県塩竈市一森山)東神門へ上る階段の左側に四重塔があります。仙台市(現・青葉区)大町五丁目の梅津源右衛門が大正7年4月25日に奉納したものですが,塔がいかにも寺院っぽいのです。鹽竈神社は江戸時代まで,真言宗の法蓮寺(金光明山法蓮華院法蓮密寺)が別当寺でした。神仏習合(混淆)と言うだけでなく,法蓮寺が鹽竈神社の社務一切を支配していたのです。しかし,神仏判然令によって明治3年廃寺となりました。それ以後である大正7年に寺院っぽい塔が奉献されているのが不思議です。もっとも,鹽竈神社東参道(裏坂)下にはもっと寺院っぽい五重塔がそれ以降に奉納されていますので,あまり拘らなくて良いのかも知れません。
ちなみに,梅津源右衛門は「清酒醸造法」という本を書いた杜氏のようです。