1.旧「私の愛聴盤」にあげたナタン・ミルシテインのレコード
シャコンヌ/ミルシテイン名奏集
制作:東芝EMI
わたしが購入したのは1975年ころ
ミルシテインはこのレコードでとても響きの良い音を聴かせてくれる。
わたしは、このレコードでヴァイオリンの演奏を聴く楽しみを覚えたといってもよい。
ミルシテインは、弓の毛を「コア」の芯に小ぎ当てるときの「タッチ」の弾性がすごくよいとわたしは感じる(押しつけるのでなく、小奇麗に触るのでもなく)。そしてそれに続く弦の鳴らし方は、キレよく思い切ったように弓を弾き切っているように感じるのだ。
その結果、密度が濃く、目の前で聴いているような実在感がある。これはおおげさな表現ではない。
このレコードの内容がそっくりデジカル化されたCDは出ていない。
レコードの音源とは異なるが内容の歌曲などが似ているCDを探したが、すでに廃盤になっていたり、中古CDの場合は入手困難であった。
そこで、わたしは、現在新品も中古も購入可能な『ナタン・ミルシテイン 最後のリサイタル』のCDを新「わたしの愛聴盤/曲」の対象とすることにした。旧「私の愛聴盤」のレコードに載っている曲のようにポピュラーな曲ばかりではないが、ナタン・ミルシテインの世界にどっぷり浸かるには、このCDはかえって適していると思う。
Nathan Milstein The Last Resital
ナタン・ミルシテイン“ 最後のリサイタル クロイツェル・ソナタ “
【録音】1986年6月 (ライヴ) ストックホルム ベルワルド・ホール
【制作】Warner classics(elatusレーベル)
【曲目】
1.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
2.J.S.バッハ:シャコンヌ(無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV1004より)
3.ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ イ長調作品1-3
4.J.S.バッハ:アレグロ・アッサイ(無伴奏ソナタ第3番 ハ長調BWV1005より)
5.サラサーテ:序奏とタランテラ作品43
6.プロコフィエフ(ミルシテイン編曲):ピアノ曲集「年老いた祖母の物語」作品31より第2曲、第3曲
7.チャイコフスキー(ミルシテイン編曲):マリアのアリア(歌劇「マゼッパ」より)
8.パガニーニ:カプリース第13番(24のカプリ―ス作品1より)
9.リスト(ミルシテイン編曲):コンソレーション第3番変ニ長調
【演奏】
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
ジョルジュ・プリュデルマシェール(ピアノ)(1,3,5,6,7,9)
新「わたしの愛聴盤」のテーマへの追加記事
ナタン・ミルシテインの演奏に関する旧「私の愛聴盤」では、「シャコンヌ/ミルシテイン名奏集」のレコードを愛聴盤して取り上げた。そのレコードの中の曲に「ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番ニ長調」があったが、実はこの曲は全体の中でわたしが一番好きな曲であった。それが、新らしい「わたしの愛聴盤」の中の記事原稿にはどこにも書かれない状態である。わたしとしてそれはしのび難いので、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番のことを下記のとおり追加で書き加えたい。
「ヘンデル:ヴァイオリンソナタ第4番二長調」作品1-13番
1.Adagio 2.Allegro 3. Larghetto 4. Allegro
ヴァイオリン: ナタン・ミルスタイン
ピアノ: アルトゥール・バルサム
録音1955年
YoutubeのURL
https://www.youtube.com/watch?v=Bj7lPXhuh2A&t=666s