今日は貴重な休みの中、ガス溶接講習を受けに行ってきました!
(ねぇ、誰か褒めてよ...。褒めてってば...。)


そんなことはさておき、よくアセチレンガス溶接が苦手な人の中で、「パチンと液体化した高温の金属が弾けて耳が痛い」という声を聞くのですが、今日は限りなく弾けにくいアセチレンを使ったガス溶接の仕方をここに書いてみたいなと思います。


①基本的に標準炎で
金属の種類によって炎の性質をアセチレンと酸素の混合比で変えるのですが、まず基本的には標準炎で溶接していきます。
(c)調整後の標準炎をご覧ください。
アセチレンをある程度出したあとに、酸素の量及びアセチレンの量を調整するのが一般的ですが、アセチレンが吸管 (トーチ) から点火した状態で出ている状態において、酸素の量をゼロから増やしていくと、だんだん青いようなガスバーナー見たことあるような美しい炎になりますよね。
そして(b)の図の場合、外側から外炎 (薄い空色炎) 、内炎 (ややにごった白色炎) 、炎心 (明るい白心) と分類されるわけなのですが、標準炎は内炎 (ややにごった白色炎) がギリギリ無くなるまで、つまり図(c)の状態になるまで酸素を出すのです
逆にもっと酸素を出した時の炎 (酸化炎) は、内炎が消えて、さらに炎心もどんどん小さくなっていきます。しまいには炎心が消えて火が消えます。


②溶接する進行方向に向かって平行に角度30°くらいにトーチを傾ける
よくパチンと弾けまくる人のフォームを見ていると、トーチが5、60°くらいまで立った状態で溶接するフォームをしています。
でもパチンと溶けた高温の金属が弾ける理由は、溶けた高温の金属が母材の冷えた周辺部分に流れ込んでしまうために急激な温度変化で溶けた高温の金属がバチンと弾けるのではないか、と考えています。(←ここまで来て持論かよ)
では、なぜ進行方向と平行に向かっておよそ30°でするのか。
簡単です。進行方向先の母材をあらかじめ溶接するときに、ある程度先に温めておくことができるから
弾ける原因は急激に冷える事とさっき書きました。
つまり早い話、急激に冷えなければ良いんですよ。
進行方向と平行に30°傾けて溶接すれば、だいたい1.5cm先の母材までかなり高温になって、炙ればすぐに溶融池もできて作業スピードも上がりますし、急冷によって弾けることもほとんどありませんね。
プロとかだとかなり角度を付けて溶接する方もいらっしゃいますが、苦手な人はまずトーチを30°くらいに保ったまま溶接することを意識しましょう。


③自分が思うものよりもう少し大きい溶融池を作る
ゆとりのあるサイズの溶融池があれば、溶接棒も溶かしやすく、ちょう高温部分のエリアも広いので急冷によって弾けることも少なくなりますね。
溶接棒が溶かしやすくなれば、溶接後の跡 (ビード) も苦手な人の割にある程度上手に仕上がります。 


④火力は強く
溶接器具などの環境によって異なりますが、私の場合はさっき出てきた炎心 (明るい白心) が、だいたい板厚2mm弱くらいの母材に対して5mmくらいになるように設定します。
弾ける人というより、手順通りでも全然溶融池ができない人に当てはまる事で、火力弱えぇぇぇって事です。
ある程度の火力は母材2mm厚でも必要なんですね。
逆に火力が強すぎて母材に一瞬で穴が開く人は、もう少し火を弱くしてみると良いかも知れませんね。


⑤炎心 (一体化した白心) から2〜3mm離れた所で熱する
これも重要です。
炎心 (一体化した白心) から2〜3mm離れた所が、炎の中で最も高温になる所です。ここで熱せば一番早く母材が溶けて溶融池が出来るわけです。
そしてあえて書きたいのが、炎心 (一体化した白心) と、母材または溶融池が接触しないようにすることです。これをすると溶融池の溶けた金属が弾けたり、逆火することがあり、大変危険です。絶対に2〜3mmを守りましょう。


〜最後に〜
ガス溶接は一歩間違えると命に関わる事故が発生しますので、十分に注意事項について確認をしてください。
そして弾けにくい方法も環境が変わるとこの方法が通用しなかったり、もっと他の方法があるかもしれません。余裕があったら他の方法も探求してみてください。
そして自信がついたらどんどん溶接していってください。きっと上手になるはずですよ。