今日、6月の第2子誕生に備えてベビーチェアを買いに行った帰りに奥さんと回転寿司にいった。
二人がテーブル席に座り寿司を食べ終えて話していると、通路を挟んで左隣のテーブル席に3人の家族がやってきた。3人は約80歳くらいの老夫婦と約50歳代くらいの息子が一人。息子の頭はボサボサで表情も覇気がない。
まず息子とその母が座った。
そして父も一緒に座ると思いきや・・・。テーブルの端に掴まったまま立ちっぱなし。
そこで、社会福祉士である私の妻と、介護福祉士&介護支援専門員である私の職業病が自動的に発令されてしまう訳で。
アセスメント開始。
どうやら父は座らないのではなく、身体機能低下によりスムーズに座ることができないらしい。歩行動作から脚力低下が見てとれる。またMSWをしていた妻の考察ではリウマチ様の状態を考えた。
右から椅子に座ろうとしているため、当然まず左足を椅子の前にもってこなければならないが、左足をおいたまま、クロスして右足を前に出している。もしかしたら、脳梗塞等の後遺症があり、動作の判断能力にも低下があるのかもしれない。関節可動域にも若干の拘縮性が見られる。
とにかく、このままでは父は転倒する可能性がある。
さて、母と息子はどうしているのか?
なんと、立ちっぱなし父を横目に寿司を食べ始めた。
5分ほど経っても父は座れない・・。
どうする、どうなる。
しかし、ここで他人の私たちがフォローすることは危険である。家族がいるのだから、インフォーマルの自助努力によってこの事態は解決すべきである。私たちのお世話は大きなお世話だ。しかし、家族は見守りしている様子すらない。店の人も遠目から心配している。
まてよ・・ネグレクトか!? いやいや。もしかしたら父ちゃんが事前に家族に対して「俺は自分の事はじぶんでするから決して手を出してくれるなぁ!」と江戸っ子風に言っているかもしれない。どちらにしてもここは通りかかった船だ。地域住民としてはここは見守ろう。
そこで、おっ!ようやく母が父に声をかけた!よく聞こえないが何かの両者で同意が交わされている。
少しホッとした。しかし、それを終えると引き続き息子と母は寿司を食べ始めた。
すると・・・。
ここで父がようやく勝負に出た!なんとクロスした足のまま尻半分を残して着座!ギリギリ転倒セ~フ。
息子と母が寿司を食べ始めてから約10分。父もようやく寿司にありつけた。
父の前には、イカの寿司が出された。父が望んだのか?それとも母が勝手に出したのか?
そこで我が妻。「嚥下は大丈夫かしら?」 さっき妻はイカを食べただけにその食感を把握している。仮に父が義歯だった場合、それがきちんとあっていないと喉を詰まらせる可能性もある。父はかなり高齢である。しかしもしかしたら、8020推進財団が推奨する試みを達成した勇者かもしれない。
ここでタイムアップ!
父は左足と右足をクロスさせたまま、椅子に半分だけ尻をのせた状態で寿司を食べているが・・・。
なにわともあれ、勝手に妄想した私たち夫婦は寿司を食べ終えているので、そろそろ帰りましょうということで。
帰り際、テーブルの真ん中に置いたガリを3人で食べている慎ましい様子が見えた。
この家族は大丈夫だ。
そのお尻を右に少しでもずらさないように安全に寿司を食べてください。