石巻渡波地区 
「こんなところに物資倉庫作ったら、あっという間に泥棒に遭うよ」
近所のおばちゃんの言葉。
2ヶ月半経っても、こんなカンジ。
避難所の人数が減るのは、避難所が耐えられないから。
避難所を出て半壊した自宅に戻ると、行政の支援は届かなくなる。
もぐら叩きゲームのように、あちこちでいろんな問題が。
ジープに満載した物資を広げたのは、女川の住宅街の小さな広場。
きっとここも、元は誰かの家が建っていたのだろう。
片づける必要もないくらい、きれいさっぱり流されて、更地になっていた。
これが本当のフリーマーケット。
無償提供の青空市。
ライフラインは復旧し始めているが、復旧と同時に行政からの物資が止まる。
みんな仕事もないし、車もない。
女川は、商店が一軒も開いてないんだよ。
それなのにどうして?
南三陸・歌津へ
炊き出しの打ち合わせと、情報収集。
意外に明るい体育館の避難所。
短い時間弾いたピアノは、枯れた、だが深みのある音がした。
助手席に乗ったパートナーは、県庁職員の支援本部長。
初顔合わせ。
「報告書と現場は違うだろ?臭いどうだった?」