先日、こんなことがあった。某病院に行く機会があって行った時、ある病棟でマスクをした女性の看護師に話しかけられた。
「○○くんじゃない?」
「そうですが・・・。」
「私、わかる?」
「いえ、どなたでしたっけ?」
「高校の時いっしょのクラスだった○○よ。覚えてない」
オレは必死に記憶の糸を手繰り寄せながら、マスクの上に出ている瞳を凝視した。
「小学校もいっしょだったよ」
やっと思い出した。
「高校2年の時いっしょのクラスだった○○さん!」
「そうよ。思い出してくれた?」
「うん。思い出した。懐かしいね。会うの卒業以来じゃない?」
「そうだよ。こんなとこで何してるの?」
オレと彼女は、高校を卒業してから現在に至るまでの経緯を手短に話した。
「そうだったんだー。でもほんとにビックリした。まさかこんなとこで○○くんに会うなんて。」
彼女は、高校を卒業後東京で3年間過ごし、それからずっとこの病院で働いていた。
「○○くん、授業中いつも寝てたよね。それから、髪の毛をピンピンに立ててた。」
「そうだったけ。」(笑)
そういえば、彼女とその友達の女の子とは、授業中目が合うといつもオレのほうを見て笑ってた記憶がある。とにかく居眠りばかりしてたからよほど可笑しかったのだろう。

それから、お互い連絡先を交換し、再会を約束して病院を出た。
梅雨の湿った午後、17歳のあの頃の、海と行き交う貨物船が見える教室に一瞬だけ戻れたような気がして爽やかな気分になった。