写真展の楽しみ方あれこれ | Portraits at an exhibition

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女性ポートレート中心に撮っています。女性のもつ魅力やその人らしさが打ちればいいなと思ってシャッターを切っています。

最近はSNSばかり更新していてブログさぼっていますw

でも、長文書くときはやっぱブログのほうが便利ですね

 

ということで表題で少し記事を書いてみます

 

誰でも写真を撮ることがふえ、SNSのタイムラインでそれこそ数えきれないほどの画像があるなかで、写真展にわざわざ出向く方は、それだけで写真好きだと思います。それでも、写真展って興味があるけど、どうみたらいいの?っていうかたや、写真展今度やってみたいなておもう写真家さんにちょっとしたヒントを書いてみました。

 

写真展の楽しみ方のヒント

 

原則

「写真はどう楽しもうが人の勝手じゃ、ボケ!」

はい、その通りですw。もう返す言葉がございません。ただ、それは既に写真展を楽しんでらっしゃる方なので・・・

その原則の例外が次からの項目です。行ってみたいけど写真展や写真をどんな風に楽しんだらいいか、鑑賞したらいいかわからなくて・・・な人に対するヒントです。

 

1)好きな被写体(風景、動物、俳優、モデル etc)の写真展にいってみる

 これは写真に興味のある人全般に言えるかと。アマチュア写真家ならまずこのセレクトははずせませんw ポートレートの写真家やモデルさんなんかは知り合いのモデルさんやご自身が出展されているのもひとつのチョイス。そこで「あーこんな風なところがあるんやー」というのがピンとくればそれはすでに、写真・写真展マニアですw

 

2)好きな写真家の写真展に行ってみる

 これはアマチュア写真家なら多いですね。モデルさんもこのパターンで来られる方もありますし、写真家つながりで行くこともあります。

まあ、これでいくくらいなら既に写真自体の楽しみ方はよくわかってらっしゃると思いますw

 

3)写真展にいって一番好きな写真を選ぶ。できたらその理由も自分で考えてみる

 ギャラリー主催の写真展では人気投票が多いと思うのですが、これってわりと写真をじっくり見る第一歩なんです。はじめはなんとなくでいいんですが、いろいろ写真を見ているとなぜ好きかというのを意識して考えるとわかってきますよ。その後で、自分の好きな超有名な写真作家の写真集をあたると写真の感じ方が深まります。僕はレスリー・キーのファッション写真が好きで、その後彼が尊敬するリチャード・アヴェドンにたどり着いていまや写真集はバイブルです。

 

4)好きな写真から伝わってくるもの、作者が伝えようとしているものを感じて見る

 写真を見てどんな感じがしたか、です。まずは好きな写真から。これで写真から感じたものがなにかっていうのを自分の中で確かめて見ます。何故か好きな場合は、もうちょっと考えて見る。で、作家がそこにいる場合はそれを伝えてみる。もしもそれが作家が表現したいものだと作家さんがうまく写真を通して伝えられたことになるし、もし意図しない感動でしたら、それは作家にとって望外の喜びです。また、作家さんに話していくうちに自分がなんでこの作品が好きかというのがわかってきますよ。言語化は意識化を伴うのですw

 

さてここからはどちらかというと写真家向けの楽しみ方になりますがご参考までに

 

5)写真を隅から隅まで見る

 よく言われるんですが、これ、わりと出来ないんですよw なんせ僕も飛ばし見して出展後頭を抱えることが多いですw

これは写真の選考のときにもするそうですが、まず、人間の目に引っかかってくるのは明るい部分だそうです。それで写真の明るい部分をとばしとばしみる。ポートレートの場合は多分、顔に意識が行くのでそちらで、次に視線と口の動き、それと手の動きにいってポージングです。視線は一番訴えることが多いのでまずそれを追って見る、です。その次にざっと背景をみて背景と人物の関連を見ます

 で、意外としないのは写真を全て見ることw。特にポートレートでは主題が人物なのでそちらに目が行きがちです。ですので僕の場合、左上から右上まで水平に見て、何センチかずらしてまた右から左に見て、それを上から下まで繰り返します。そうするとスキャンの要領で全画面を見ることになります。その上で写真の描写、ディテール、ボケ味などをチェックします。最後のチェックが終わったら4)にもどりますw このとき、印刷がどんな感じなのかというのも見る楽しみ。SNSで公開を認めている作家は、この部分に絶対の自信があるから許可されています(まあ、話題性もあるのですがw)。写真は写っているものだけではなくて、印刷されている質感を楽しむというのもまた別の楽しみ方です。

 

6)写真の並べ方をみる

 これは個展をやるときに参考になるので是非。特にギャラリーが順番を決めているときは、ある種の意図があってその順番になっています。これを読み解く作業が写真展ならではです。ちなみに、写真を見る順番です。超有名で入場料のいるようなw写真家の場合は写真家の挨拶や略歴があるのでその近くの作品からというのが常套手段です。あるいは番号がふってあったり、順路が矢印である場合は天邪鬼にならずw、それに従いましょう。また文章がない場合は一番近くに展示されている作品が右の場合は時計回りで、左の場合は反時計回りで見ていきましょう。ちなみにはいって左右に分かれている場合はどちらでも、ということですが、基本的に反時計回りがデフォルトですw というのは反時計回りだと視線の移動は右から左に移動するので疲れにくい、そうです。これは文字の読み方と一緒の流れというのが視覚心理学で有名になっています。

 

 

7)写真の陳列方法をみる

 これは近代芸術からの写真へのフィードバックです。要は一列に並べているのか、上下に分散させているのか、プロジェクターや垂れ幕を作っているのか、極端に大きかったり小さかったりなのか、上からつるしていたり床に展開していたりするのか、どれも作者の意図です。これがどんな意図かを感じて考えて見るのも写真展ならではの面白さです。PCやスマホでは見られない写真展ならではの楽しみ方です。ちなみにドイツのベッヒャー一派はグリッドに並べて陳列して繰り返しで主題をつくったりしています。

 

さてここからは写真オタクの見方w

 

8)写真家の歴史的脈絡をみる

 もう、ほとんど写真評論の世界ですが、写真を好きになっていっぱい写真や写真集を見ていると、インパクトのあるアマチュア写真家や有名写真家はどこか歴史的な写真が下敷きになっています。たとえば、Terry richardsonのライティングは色を大事にしていますが、これは元をたどるとヘルムートニュートンのリングライトだったりします。ライアンマッギンレイだって、モデルをつれてアメリカ中を移動して撮影しているのは、もとを正せばロバートフランクのアメリカンズが原点にあったりします。そういう意味では写真展や写真作品が歴史的なテーマの繰り返しになっておりそれを踏まえた上で新しいことをしているので、何が新しくてなにが写真歴史のオマージュになっているかを確かめるともっと面白くなってきます。これがスパッとわかって、作家さんに伝えられると古典を勉強されている作家さんと仲良くなれますw

 

最後にこれは反則技w

 

9)写真作家の性格、生い立ちを想像する

 もうここまでくるとオタクも極まれり、です。写真作家の表現したいことが読めてくるとそこから、それを表現したい作家の性格がちらちらと見えてきますw この主題を何度もだすのはこういう性格で、こんな経験をしてきたのかなぁとか。まあ、病碩学といわれる世界ですね。ムンクの叫びや少女などを解析する手法ですが。ある意味、作品を通して作家は自分の一部をさらけ出しています。そして恐らく作家はそれに気づいていないと思います(僕自身も自分のことをわかってませんw)。そういうひととなりを読む楽しみが写真や写真展ではあります。

 

 

いかがでしょうか?写真や写真展の楽しみ方少しはヒントになったでしょうか?写真展の敷居が高いと思われるようでしたらこういう見方もあるって言うヒントです(え、余計に敷居がたかくなったって?いやそれは写真展においでになればそんなに難しくないってことがお分かりになりますよw)

 

ということで、長い前フリでしたが直近で写真展出します。

会場でお会いしましょう

 

ジャバウォック・ギャラリー

『写真の原点は色の無い美しい世界だった』
・本展示では「モノクローム(白黒)」で撮影された写真作品を募集・展示いたします。
「 #000000 」はwebの世界では「黒色」を表します。
"白と黒のコントラスト "が生み出す「モノクローム」の世界をあなたなりの視点でお楽しみください。

[ 開催期間 ]  2019年4月3日(水)12:00~4月29日(月)19:00

〒605-0917
京都府京都市東山区蛭子町北組260
Tel. 050-3636-1871
12:00~19:00 毎月末日