リクエストして下さった方、ありがとうございます!
教師 理佐竣(男)×友梨奈(女)

志田愛季(男)

の設定です。

















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欅学園高等学校3年A組担当の渡邉理佐竣は私の彼氏。

生徒からもよく告白されてるのを見る。

今日もまた告白を受けてる光景を見てしまった。

気分が萎える。

職員室で溜め息を溢していると同僚の志田先生が声を掛けてきた。

「どしたん、溜め息ついて」

「志田先生には関係ないです」

「水臭い事言うなよー」

私は長い髪を耳にかけてテストの採点をする。

でも気分が萎えたままで集中力に欠ける。

「平手さ、今度お茶しない?」

「しないです」

「はやっ。ちょっとくらい考えてよ」

「志田先生、仕事して下さい」

「...はいはい、しますよ」

そう言って志田は自分のデスクに戻って行った。

私は気を取り直して採点にとりかかった。

すると理佐竣が扉をガラガラと開けて中へと入ってきた。

なるべく視線を合わせない様にして採点をする。

「平手先生」

「...なんですか」

「今日定時に上がろう?」

耳元で囁かれ肩を竦ませた。

顔を上げて見つめると優しく微笑む姿に胸がドキッとする。

「...はい」

こくんと頷くと肩をポンポンと叩いて理佐竣は自分の席に座った。

私はふう、と息を吐いて生徒達の採点を終わらせる。

小林さんいつも100点。すごいなぁ。

なんて思いながら水筒のフタを開けて息を吹きかけて温かいお茶を飲む。

チャイムが鳴り、次のクラスへと向かう為準備をして椅子から立ち上がる。

そして教室へと向かった。












「平手ちゃんー分かんないよー」

「どこが分からないの?」

「ここー」

その子の所へ行って分かりやすい様に教えると「あーそういう事か」と理解してくれた。

「今度のテストに出るからね、みんな」

「えー」と言う声が上がってクスッと笑う。

「予習復習忘れないでね」

そう告げるとちょうどチャイムの音が鳴り響き、教壇に立って起立、礼をして教室から出た。

















放課後、私は職員室に戻ろうとして理科室の前を通りかかった時だった。

中から音がして窓越しから見つめるとそこには小林さんと理佐竣がキスをしていたのに目を見開き、持っていた教材を落としてしまった。

理佐竣はそれに気付き、慌てて引き戸を開けて名前を呼んだ。

「平手先生っ、これは、そのっ」

「...」

じんわりと潤んでくる目で教材を拾い集めた。

手伝おうとする理佐竣に触らないで!と言い放ち、乱雑に落ちた物を抱えるとその場を去った。



どうしてキスなんてしてるの。




職員室に戻る所で涙が溢れて止まってくれなくてその場で蹲るとたまたま通りかかった志田先生が私に気付いて駆け寄って来た。

「平手、どうした?」

「っ...志田、先生...っ」

「...とりあえず誰もいないとこに行こう」

肩を支えてもらいながら立ち上がると涙をしとどに流して屋上へと続く階段に座らされた。

「何があったの?平手」

「っ...理佐竣が...っ」

「...アイツなんかやったのか」

「...小林さんと...キス...っしてて」

涙が教材にぽたぽたと落ちる。

「...なぁ平手」

「っ...?」

「俺と付き合わない?」

「ぇ...?」

志田先生の方を見つめると首を引き寄せられて唇にキスをされた。

ゆっくりと唇を離され、私は何も言えずただボーッとしていると抱き締められる。

「志田先生...?」

「俺なら泣かせないし大事にす、」

「志田」

低い声が聞こえてきて階段下を見つめると息を切らした理佐竣が立っていた。

「友梨奈に手を出すな」

「生徒とキスしてた奴が何言ってやがる」

「あれは、...」

知ってる。

理佐竣は人のせいにしない事を。

「とにかく、友梨奈は俺のだから」

理佐竣は私の手を取り、志田先生の声も聞かずに走って職員トイレに駆け込んだ。

フタを閉めた便座に座らせられて理佐竣が抱き締めてきた。

「友梨奈、ごめん」

「何に対してごめんなの...」

「...」

「言ってくれないと分かんないっ」

教材を片手に持って逆の手で理佐竣の身体を押したがびくともしない。

「離してっ」

「友梨奈...」

「離してってばっ!」

その言葉に理佐竣はゆっくりと身体を離すと頬を包み込まれてキスをしてきた。

「んっ!」

噛み付く様な荒々しい口付けに息が続かない。

侵入してきた舌を強く噛むと唇が離れる。

「友梨奈、」

「退いて...」

「嫌だ」

「...今日帰らない」

「...行かせない」

お互いどっちも引かずトイレの中で黙りこくったまま。

「...友梨奈が一番分かってるだろ?」

「...何が?」

「俺の気持ち。友梨奈が一番だって事」

「...小林さんとキスしてたくせに」

「あれは、...」

「何で庇う訳?」

「生徒だからに決まってる、」

「じゃあ生徒だからって何してもいいんだ理佐竣は」

「違うっ。友梨奈が一番に決まってるだろ」

「...分かんないよ...もう...」

また涙が溢れて教材を抱き締める。

「友梨奈...ごめん...泣かせちゃって」

「理佐竣の馬鹿...っ」

「...小林にはちゃんと言っておいたから。俺には大事な人がいるからって」

「...もう...キスしない...?」

「ん、しない。するのは友梨奈だけ」

ぎゅっと抱き締められて髪を撫でられる。

私は首筋に顔を埋めて擦り寄った。

「今度キスしたら口もきかないから」

「ん...分かった...友梨奈」

顔を上げると唇にキスをしてきた。

それを甘んじて受け入れる。

唇をゆっくり離され頬を撫でられた。

「...帰ろっか」

「...ん」

理佐竣が鍵を開けると誰も居ない事を確認し、二人で職員トイレを出て教室に戻ると志田先生が入ってきた理佐竣を睨んでいた。

「...今度平手泣かしたらもらうからな」

「泣かせねえよ」

真剣な眼差しで理佐竣は志田先生を見つめて帰る支度をした。

私も教材をデスクに置いて鞄に水筒など入れて持ち「お先に失礼します」と頭を下げ、職員室を出て職員用の駐車場に向かい後から来た理佐竣が車の鍵を開ける。

私は助手席に座って理佐竣が運転席に座るとシートベルトを締めた。

「今日は理佐竣がご飯作ってね」

「分かりましたー」

ふふっと微笑んで理佐竣を見つめ、理佐竣もつられて微笑むと車で帰路へと就く。













今日は泣いた分たっぷり愛してもらおう。
























END
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お読み下さりありがとうございました。