友梨奈side
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ふと時間が気になって携帯を取って時間を見た。
15時46分。私達寝過ぎだ。

「理佐、もう起きよう?」
「うん」
「熱は?」
「だいぶ下がったかな」
「熱計ってみよう」

一緒にベッドを抜け出してリビングのソファーに座る理佐に体温計を手渡すとパジャマの中に入れて脇に挟んだ。

「理佐、サイダーもらうね」
「うん、私の紅茶も取って」
「うん」

床に座ってテーブルに理佐の紅茶のペットボトルを置く。
私はサイダーのフタを開けて飲んだ。
少し経ってから体温計の音が鳴る。
理佐は取り出して表示を見た。

「36度6分」
「良かったー」
「2度寝が効いたのかな」
「ね。薬飲み忘れたのに」
「本当だね」

二人クスクスと笑って理佐は紅茶に手を伸ばして取るとフタを開けて飲む。

「あー明日から学校かー」
「でも明日行けばまた休みじゃん」
「あ、そうだね」
「理佐ー、意外と天然?」
「天然じゃないっ」
「ふふっ。可愛いー」

膨れっ面をした理佐の隣に座って頬に口付けた。
理佐は嬉しそうにはにかみ、私の唇を奪った。
ゆっくりと離れた唇を見つめて理佐を見た。

満足げな表情を浮かべて紅茶を飲む理佐。
私もサイダーを飲んでテーブルに置いた。

「理佐、思ったんだけど部活入ってないの?」
「うん、帰宅部」
「私何か入らないといけないかな」
「いいんじゃない?帰宅部で。3年だし今更入ってもねぇ」
「そっか」

理佐は立ち上がり、棚からチョコレートを持ってきた。

「友梨奈も食べる?」
「うん」

理佐は何を思ったのか小粒のチョコレートを加えて「ん...」と私の顔に近付けた。
恥ずかしくて視線を泳がせると後頭部を引き寄せて唇に当てた。
食べない訳にはいかない。
震える唇を開けてチョコレートを食べる。
熱で溶けた唇のチョコレートを舌で舐めとってもぐもぐと口を動かした。

「間接キスだね」
「もう...理佐のえっち」
「ふふっ」
「ふふっ、じゃないっ」
「恥ずかしくなってる友梨奈可愛い」
「恥ずかしいよっ。それに可愛くないから」
「あ、また言った」

パジャマの中に手を入れられて脇を擽られ、ソファーの倒れて身を捩る。

「ごめんっ、理佐っ、ふふっ」
「分かれば良い」

ゆっくり起き上がって理佐の肩に頭を乗せた。

「理佐、好き」
「うん、知ってる」

ふふっと笑うと理佐が手を絡めて握ってきた。

「晩ご飯今日何にしようか。明日のお弁当も考えて」
「卵焼きと生姜焼き」
「それだけ?」
「うん」
「あ、じゃあミックスベジタブルで塩コショウするかなご飯は」
「ミックスベジタブルってグリンピース入ってる?」
「うん」
「私グリンピース嫌い...」
「そうなの?」
「うん」
「じゃあ残しても良いからご飯はそれにしようっと」
「理佐、ありがとう」
「無理強いしてもだめだしね」

理佐が優しく微笑んで言ってくれたのが嬉しくてぎゅっと抱きついた。

まだ時間はあるからゆっくりしてよう、と手を握ったまま私達は抱き寄せ合った。









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