友梨奈side
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理佐がお粥全部食べれて良かった。
でもしんどいのかすぐにソファーに横たわった。
テーブルに置いていたタオルを水で濡らして理佐の額に乗せた。

「友梨奈、ありがとう...」
「大した事してないよ」
「あーー可愛い...」
「...可愛くない」
「私にとっては可愛いの」

理佐は私の髪に手を伸ばして撫でてきた。

「んー友梨奈...」
「甘えん坊理佐」
「うん、今人肌恋しい」

わしゃわしゃと髪を撫でる理佐。

「ごちそうさまでした」

理佐の手から離れて理佐がああ〜と声を漏らすのにクスクス笑い、理佐の食器類も持ってシンクに置くと洗い物をした。
それが終わると携帯に夢中な理佐の前にちょこんと座る。
理佐、こっち向いてよ。
思わず服をぎゅっと握った。
やっと気付いた理佐をムーッと見つめる。

「どうしたの友梨奈」
「構ってくれないから...」
「ふふっ、いじけてるー」

膨らませた頬を突かれた。

「...あ、風邪薬」
「どこにあるの?」
「そこの箱に入ってない...?」

救急箱を見つけて風邪薬を出した。
期限切れて無いよね、と確認するとまだ大丈夫だった。
コップにお水を入れてテーブルに置き、薬を3錠出すと理佐に口開けて、と言って薬を入れる。身体を起こした理佐にコップを渡すとお水を口に含んで飲み込んだみたい。
コップを受け取りテーブルに置いた。

「友梨奈、明日学校行く?」
「やけどが痛いから休もうかな...」
「ん。じゃあこばにメッセージ送っておくね」

理佐は携帯を弄る。
私はそれをじーっと見つめる。

「こば、寂しいって」
「私達が休むから?」
「うん」
「ふふっ。でもこば一匹狼なとこあるから」
「そうだね。あ、友梨奈身体拭いてきて良いよ?」
「んーじゃあそうしようかな」
「包帯解ける?」
「分かんないけど頑張る」
「良いよ。手伝ってあげる」
「だめ。理佐身体しんどいでしょ」
「いいの。ほら、行くよ」

額に置いていたタオルをテーブルに置いた理佐は私の手を取って寝室に向かった。
ベッドに座らされるとパジャマのボタンを外されて脱がされた。

「んー赤みは引いたけど、まだ痛いよね」
「うん」

包帯を外していく理佐に腕を上げて外しやすい様にする。

「ありがとう友梨奈」
「ん」
「...あーまだ赤いね。簡単には引かないか...」
「ヒリヒリする」
「薬塗ってあげるから早く行っておいで」
「うん」
「あ、友梨奈下着」

パジャマの上着と箪笥から紫色のショーツを渡された。
脱衣所でパジャマのズボンとショーツを脱いで、ショーツは洗濯機に入れる。
タオルを持って浴室に入るとそれをぬるま湯で濡らして身体を拭く。
ジリジリとした痛みが走る。
痛みに顔を歪めながらも身体を濡らして拭いていった。
タオルを広げて背中も拭く。
全身を拭き終わると浴室を出てバスタオルで身体の水滴を拭った。
使ったタオル類も洗濯機の中に入れ、ショーツとパジャマのズボンを穿いて寝室に戻ると理佐は横たわっていた。

「理佐、大丈夫?」
「ん?あ、おかえり。大丈夫だよ」

理佐は起き上がるとベッドをぽんぽんと叩いたのでそこに座った。
塗り薬を用意してくれていて、理佐は手のひらに薬を出すと伸ばして背中のやけどから塗った。
それから前に移ってまた薬を出して左半身の肩、胸とおへその下まで塗ってくれた。
私はまた手を上げて、包帯を巻いてもらった。

「...はい、終わったよ」
「ありがとう理佐」
「あ、あと飲み薬」

理佐は袋から化膿止めの薬を一粒取り出して私の口に入れ、パジャマの上を着ているとお水を持ってきてくれて、それで薬を流し込んだ。

「ありがとう」
「早く良くなるといいね」
「ん」
「歯磨きして寝よっか」

頷いて洗面台に向かうと二人並んで歯を磨いた。
丁寧に磨き口をゆすぎ、うがいをする。
理佐も続いて口をゆすぐとうがいをした。
手を繋いで寝室に行き、ベッドに寝そべると理佐も入ってくる。

「友梨奈は仰向け」
「はぁい...」

抱きついて寝たいなぁ。なんて思っていると理佐は右腕に抱きついて手を握ってきた。

「早く友梨奈を抱き締めて寝たい...」

思う事が一緒だから思わず笑ってしまった。

「なに笑ってるの?」
「いや、思ってる事同じだから」
「そうなの?」
「うん」
「うーん友梨奈ぁ」

理佐は目を閉じて少ししてから寝息を立て始める。

しんどいのに優しく介抱してくれてありがとうね。

「理佐...おやすみ...」

少し身体を起こし、まだ熱い額にキスをして枕に頭を乗せて目を閉じた。









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