理佐side
ーーーーーー
目を覚ますと身体が怠くて火照っているのが分かった。
やばいな。風邪引いたなこれ。
友梨奈を見つめると綺麗な横顔で眠っていた。
良かった。やけどで眠れないかなと思っていたから。
すやすや眠ってる友梨奈の頬に起き上がってキスをした。
柔らかくてマシュマロみたいな頬を撫でてベッドから下り、リビングに向かうと救急箱から体温計を取り出して脇に挟んでソファーに座る。
ああーしんどい。
横たわって目を閉じた。
しばらくして体温計の音が鳴る。
脇から取って表示を見ると38度超えてた。
「友梨奈が大変な時になに風邪引いちゃってんの私...」
溜め息を吐いて自分を恨んだ。
とりあえず身体はしんどいけどお粥とご飯を炊こうと立ち上がる。
ふらふらな状態で頭回んなくてお米を何合入れたか忘れてしまった。
まあお水は手の甲辺りで良いよね。なんて思いながら炊飯器にセットしてボタンを押す。
お粥はご飯炊けてからにしよう。
ソファーに横になっている内に私はいつの間にか寝てしまった。
手のひらが私の額に触れ少ししてからひんやりとしたタオルが乗せられ私はうっすら目を覚ます。
友梨奈が目の前にいた。
「理佐、大丈夫...?」
「私は大丈夫。友梨奈は?」
「まだヒリヒリしてる...理佐、ごめんね。私のせいで、」
「違うよ。友梨奈のせいじゃない」
眉尻を下げて見つめてくる友梨奈の髪を撫でた。
「そんな顔しないの...」
「だって、理佐はいつも助けてくれてるのになにもしてあげれない自分が嫌」
「友梨奈...」
「声だって、理佐のおかげで出せる様になったの」
ぎゅっと友梨奈が抱きついてきた。
背中を撫でてあやす。
「それは友梨奈が頑張ったからだよ」
友梨奈は違うと言って身体を離した。
「理佐のおかげなの」
頑として曲げない友梨奈を愛しく思った。
「...理佐、なにかして欲しい事ない?」
「いいよ、友梨奈が側に居てくれるだけで」
「それじゃ私の気持ちがおさまらない」
「...じゃあ、お粥作ってくれる...?」
「...うんっ」
「まだご飯炊けてないから後でね」
「ん。後は?」
「手...繋いでて欲しい」
「いいよ」
手を握ってくれる友梨奈に微笑む。
「友梨奈、手冷たくて気持ちいい...」
「ほっぺたに触る?」
そう言って私の頬に手を当てた。
ひんやりとして私にとっては友梨奈が冷えピタだ。
「ごめんね、友梨奈」
「大丈夫」
「はー落ち込む」
「なんで?」
「だって友梨奈今辛いでしょう?ヒリヒリするって事は痛い訳でしょ。なのに私風邪引いちゃって」
「理佐、どこまで優しいの」
手を握ってきた友梨奈は今にも泣きそうになってた。
ああ、可愛すぎる。
抱き締めてキスしたいけど、身体の怠さで動けない。悔しい。
すると、ご飯が炊けて友梨奈は手を離してしゃもじどこにある?と聞いてきた。
引き出しにあるよと教えるとしゃもじを見つけてご飯をかき混ぜる。
シンク下を開けて鍋を発見するとご飯を入れてお水を入れ、コンロに置き点火して木べらでご飯をほぐしていく。
友梨奈の背中、可愛い。
私はもう友梨奈の虜だ。
何してても可愛い彼女はお砂糖と塩を確認して分かったみたいで少量お粥に入れた。
しんどくて目を閉じているとまた私は眠ってしまった。
「さ、理佐」
「ん...」
「お粥出来たよ」
「ありがとう...」
身体が怠いながらもソファーから起き上がり、器に入ったお粥をスプーンで食べた。
「友梨奈、美味しいよ」
「ありがとう」
「ありがとうはこっちのセリフ。友梨奈も冷蔵庫の中の物食べていいよ」
「ううん、いい。理佐と一緒のお粥にする」
再びキッチンに向かった友梨奈を見つめお椀にお粥を入れ、スプーンを持って私の側に座った。
ゆっくりだけど完食してテーブルに置くとごちそうさまでしたと友梨奈に呟いた。
友梨奈は嬉しそうにはにかんで頷いた。
ーーーーーー
お読み下さりありがとうございました。