r家に帰っている途中、理佐が食材買わなきゃ、と言ったのでスーパーに寄って買い物を済ませた。
「今日のご飯は?」
「うーん...何にしようか」
「オムライスがいいなぁ」
「ふふっ。友梨奈オムライス好きだね」
「うん」
荷物をぶら下げて家に帰ると理佐が家の鍵を開け、中に入ると鍵を締めた。
テーブルに荷物を置き、鞄とマフラーを端に置く。
「先にお風呂入っちゃう?」
「うん、そうしよ」
理佐はお湯を張りに行って、私は買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。
最後にサイダーを取って冷蔵庫を閉めた。
「あ、冷蔵庫にしまってくれたんだ。ありがとう」
「良いよ。それくらい」
理佐も冷蔵庫から紅茶を出して座椅子に座る私の隣に座った。
すると私の顔を見て唇を尖らせた。
それがなんの意味をしてるのか分かった私は唇にキスをした。
「おかえりとただいまのキス」
「正解」
ふふっと二人して微笑む。
そして同時にキャップを開ける。
行動パターン似てきたなぁ。なんて思っていると、顔をぐりんと理佐の方に向けられて何事かと目をキョトンとした。
もう一度口付けられて、目を細めた。
理佐は自分でしたのに顔を赤らめてる。
「理佐、顔赤いよ」
「うるさい」
クスクス笑ってサイダーを飲む。
と、肩に頭が乗ってきた。
「明後日本当に結婚しちゃうんだ...」
「嫌?」
「やな訳ないじゃん。ただ信じられなかった」
「?」
「友梨奈と出会って結婚出来るなんて」
「うん、私も」
サイダーを置くと理佐は抱き締めてきた。
理佐とねると出会って無かったら恋がどんなのかも知らずに暮らしていたと思う。
人生ってどう転ぶかわかんないなぁ。
「最初の頃、よく戸惑ってたな」
「友梨奈はあんまり視線を合わしてくれなかったね」
「だって恋がなんなのかわからなかったし。吸血鬼だって言った時は勇気いったなぁ」
「可愛かったあの時の友梨奈は」
「なに。今は可愛くないみたいじゃん」
「ふふっ、今も可愛いよ。それにカッコいい」
「ちょっと何言ってるかわかんないです」
「なにそれ」
笑う理佐に私もつられて笑った。
「友梨奈、好きだよ」
「私も。理佐がいなきゃもう生きていけない」
「同じ気持ちだよ」
理佐を見つめると柔らかく微笑んでいる。
私は唇を奪った。
理佐は目を閉じて受け入れる。
何度も何度も唇を啄み、ゆっくり離した。
「友梨奈...」
「...好きだよ」
ふにゃっと微笑んで呟く。
「〜っ、友梨奈」
理佐はすりすりと擦り寄ってきた。
お湯張りが終わりました、と機械音のアナウンスが流れる。
「理佐、お風呂入るよ」
「うん」
寝間着とショーツを持って一緒に脱衣所に向かう。
裸になると浴室内に入って椅子に座る。
「理佐ー、髪洗って」
「はいはい」
全身を洗い終わると湯船に浸かった。
理佐は身体を洗ってる。
綺麗な肌だなーなんて湯船の縁に両肘を乗せて見つめる。
「...?」
「綺麗だなーって思って」
「そう?」
身体を洗い終えると泡を洗い流す。
そして湯船に入ってきた。
「友梨奈も綺麗じゃん。肌が白くて。ほっぺたぷにぷにだし」
「ほっぺたぷにぷには余計」
「本当の事じゃん」
理佐は近付いてきて頬をぷにぷにと触り始める。
「食べたいくらい」
「だめ」
「えー、なんで」
ちゅっと頬に口付けられる。
理佐は首にも口付けた。強いくらい。
「キスマークつけちゃった」
「あ、理佐咬み傷は?」
理佐の首筋を見て化膿していない事に安心した。
「後で薬塗ろうね」
「やだ」
「なんで」
「消えると寂しい」
「だめ。化膿したら私が嫌だから」
不満げな彼女を見てあー愛されてるんだなって実感する。
「いつも血くれてるから寂しくないでしょ」
「そうだけど...」
理佐が脚を伸ばしたので太腿に座った。
理佐の顎をくいっと上げて唇にキスをする。
薄く開いた唇に舌を忍ばせると舌が絡んでくる。
甘噛みして吸うとゆっくりと唇を離した。
「...友梨奈のえっち」
「理佐のえっち」
私の胸の谷間に顔を寄せて抱きつく。
髪を撫でていると顔を上げる理佐。
私からちゅっと唇にキスをした。
嬉しそうに微笑む彼女は綺麗で、また恋をした。
「もう上がる」
私は先に浴室から出て全身を拭き、ショーツを脚に通して寝間着に着替えた。
「理佐ゆっくり入ってていいよー」
「はーい」
スキンケアをしてドライヤーで髪を乾かす。
数分後髪が乾き、ドライヤーを片付けてコームで髪を整える。
キッチンに行くと今日買ったミックスベジタブルを出して適量器に入れた。
グリンピース嫌いだけど理佐のは食べられるんだよね。不思議。
ご飯を明日の分も考えて多めに皿に盛った。
フライパンを点火して温まったなと思い、オリーブオイルを入れてミックスベジタブルを炒める。
浴室から音が聞こえてきて、あ、理佐上がったな。と思いながら火が通るまで炒めた。
ご飯を入れ、ケチャップを多めにかけて満遍なく混ざる様にかき混ぜる。
そして塩コショウを振り、少量とって味を確かめる。
理佐の味に近い。
ケチャップライスの完成。
後は卵焼きだと思い、ケチャップライスの火を止めて自分のお弁当箱を持って理佐の元に向かった。
ちょうどドライヤーを片付けていた理佐に尋ねる。
「理佐、鞄開けるよ?」
「うん」
一言言って理佐の鞄からお弁当箱を出すと洗いにシンクへと行った。
袋から出してお弁当を洗っていると理佐がやってきた。
「え、友梨奈作ってくれたの?」
「うん」
「じゃあ卵焼きは私がやる」
「お願いします」
お弁当を拭いてその中にケチャップライスを入れた。
あとは二人のお皿に分ける。
お弁当は冷ましておいた。
今度は理佐がキッチンに立つ。
私は座椅子に座って飲みかけのサイダーを飲み干して片付けた。
やっぱり理佐がキッチンに立つのがしっくりくる。
テキパキと動く理佐を見つめた。
まずはお弁当の薄焼き卵を作り、お弁当に入れていく。
そして今日の晩ご飯のケチャップライスに半熟卵焼きを乗せる。
「はい、出来たよ」
「わー、理佐ありがとう」
スプーンを二つ持ってテーブルに並べる。
半熟卵の上にケチャップでハートを描いてくれた。理佐のもハートだ。
洗い物を終えて隣の席に座ってきた理佐と一緒に「いただきます」と言って食べ始める。
「ん!」
「どう...?」
「おいひい」
「良かったー」
「友梨奈の手料理美味しい」
「理佐の見様見真似で作ったけどね」
あむっと頬張ると普通に美味しかった。
それから談笑しながら食べ終えると手を合わせて「ごちそうさまでした」と呟いた。
理佐も完食して食器類を片付けようとすると私が洗い物すると言って理佐を座らせた。
食器類を洗ってカゴに入れていく。
洗い物を終えて手を拭くと歯磨きしようと手を握られる。
二人並んで歯を磨いて少しすると理佐が口をゆすぐ。
理佐が終わると今度は私がゆすいだ。
使ったタオルで口を拭き、洗濯機に入れると理佐を呼び止めて首筋の咬み傷に薬を塗った。
そしてベッドに二人潜り込んだ。
腕枕ももう慣れたものだ。
ベストポジションを見つけて擦り寄った。
理佐は身体に布団を掛けて私を抱き締める。
「おやすみ友梨奈」
「おやすみ理佐」
しばらくすると理佐から寝息が聞こえてきて、私も目を閉じて眠りについた。
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