「二人で幸せになろう?」
理佐はそう言ってくれた。
理佐は私にとって唯一無二の存在だ。
こくんと頷くと優しく微笑んでくれた。
「お粥食べれそう?」
「うん...」
起き上がると、理佐は軽々と私を抱き上げてソファーに連れていってくれた。
「温め直すから待っててね」
クッションを抱きしめて横たわり、理佐の後ろ姿を見つめる。
いいお姉さんだなぁ、なんて思う。
それと同時にいい恋人だとも思ったり。
ふふっと微笑んでいると、理佐が振り向いてキョトンとしてる。
「なに笑ってんの」
「ううん。なんでもない」
「いい。あとで尋問するから」
ニヤッと笑った理佐に私はクッションで顔を隠した。
「出来たよー、友梨奈」
「理佐、ありがとう」
起き上がろうとすると無理に起きなくていいよ、と止められる。
「食べさせてあげる」
私が抱きしめていたクッションを頭の下に置いて食べやすくしてくれた。
「はい、あーんして」
小さな口を開けると理佐が息を吹きかけて冷ましてくれたお粥を食べる。
「おいひい」
「そう?良かった」
梅粥を飲み込むと雛鳥の様に口を開けてまたお粥を食べた。
「病院のより美味しい」
「梅いっぱい入れたからかな」
「違うよ。理佐が作ってくれたからだよ」
「なにが欲しいの?ゆりなちゃん」
「そんなつもりで言ったんじゃないー」
口を尖らせて見つめると理佐が「可愛い〜」と呟く。
「はい、あーん」
あむっと食べて口を動かす。
理佐を見つめるとにっこり微笑んでいる。
ジーっと見つめ合う事数秒、「ん?」と小首を傾げる理佐。
「理佐は綺麗だね」
「ゆりなちゃん、本当なにが欲しいの?」
「理佐が欲しい」
「大胆発言」
理佐はふふっと笑って私の唇にキスをした。
「満足ですか?」
「ふふっ。うん」
「はい、あとちょっとだよ」
頑張ってお粥を食べきると髪を撫でられて目を細めた。
「卵焼きもちょっと食べてみる?」
「うん」
「ちょっと待っててね」
理佐は空いた器を持ってキッチンに向かう。
テーブルに置かれた卵焼きを一つ箸で持って口に近付けられる。
口を開けてもぐもぐと食べる。
「ん〜おいひ」
「美味しそうに食べるね友梨奈は」
「だって美味しいもん」
「ありがとう友梨奈」
髪を梳かれて嬉しそうに微笑むとまた唇にキスをされた。
今度は理佐の後頭部を引き寄せ、味わう様に何度も口付ける。
ゆっくり唇を離すと満足げな表情を浮かべる理佐。
「友梨奈、キス上手」
「理佐が教えたんだよ?」
「えー私教えてないよ」
「いーや、理佐が教えたの」
どっちも引かず言っていると可笑しくなって二人で笑い合った。
こんな幸せな日々が待っていたなんて思いもしなかった。
ねえ、理佐。
希望を持って私は歩いて行って良いのかな。
きっと理佐の事だろう。
「良いんだよ」って言うよね。
二人で幸せになるんだから。
END
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まっちゃおーれさん
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