「友梨奈...友梨奈」
「...んぅ...?」
目を開けて見つめると、困った様に笑う理佐がいた。
昨日はなかなか眠れず、寝不足気味の私は欠伸をして身体を起こす。
「理佐おはよう」
「おはよう友梨奈」
髪を撫でてくれる理佐の腰を引き寄せて抱きしめる。
「友梨奈」
顎を上げさせられて唇にキスをされた。
「本当キス魔だね理佐は」
「友梨奈にはキス魔だよ」
「当たり前でしょ。他の人にもキスしてたらその口縫う」
「こわーいゆりなちゃん」
「もうっ。ちゃん付けしないで」
ベッドから出ると顔を洗って歯を磨く。
その間理佐は今日の私の服をバッグから出している。
口をゆすいでスキンケアをし終わるとパジャマを脱ぐ。
寒いーなんて言いながらブラジャーを着けてヒートテックと薄手の服、その上にパーカーを着てズボンを穿いた。
ベッドに座って靴下とスニーカーを履く。
「友梨奈、上着とマフラー」
「うん」
上着を着てマフラーをすると、理佐は歯ブラシやコップ、スキンケア用品、タオルをバッグに入れた。
私は自分のバッグを斜めに掛けた。
「忘れ物ないね?」
辺りを見渡して確認した。
「うん、ない」
「よし、行こう?」
理佐はバッグを肩に掛け、手を差し出す。
その手を握り締めてナースセンターに向かう。
「お世話になりました」と看護師さん達に頭を下げた。
ちょうど金子先生にも会って頭を下げる。
「ちゃんとご飯食べるんだよ」
「はい。ありがとうございました」
にっこり微笑むと金子先生も微笑んでくれた。
理佐と共に病院を後にして理佐が後部座席にバッグを置き、運転席に座り私は助手席に乗り込む。
シートベルトをして理佐もシートベルトをするとエンジンをかける。
「じゃあ自宅に直行ー」
「はーい」
車を走らせて理佐の家へと向かった。
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