部屋着と新しいショーツを持って脱衣所に行く。

「友梨奈ー、服とショーツとタオル洗濯機の上に置いとくねー」
「ありがとうー」

シャワーの音の中ちょっと声を上げ、友梨奈に声を掛けて私はキッチンに立った。
今日はカレーにしようと具材を切り、炒めてから圧力鍋に入れてお水を入れる。
その間携帯を弄って待っていると友梨奈がお風呂から上がった音がした。

「ショーツぴったりー?」
「うんぴったり」

良かった。体型は私と一緒なんだなぁ。なんて思っていると圧力鍋がピーッとなって慌てて火を止めた。
蓋を開けてちゃんと火が通っているか確認してスッとつまようじが刺さるとカレーのルーを数個入れてかき混ぜる。ルーが溶けきるとまた火を弱火に点けた。
それから脱衣所に向かい、ちょうど部屋着を着ていた友梨奈と視線が合った。

「スキンケア使っていいよ。あとドライヤーもね」
「ありがとう」

ふにゃっと微笑む友梨奈に私は抱きしめたいと思ったが堪えてキッチンに戻る。
カレーが焦げない様にかき混ぜ、とろみが出てきたところで火を止めた。
二つのお皿にご飯を乗せてカレーを盛り付ける。
それをテーブルに置き、お茶を飲みながら友梨奈を待った。
やがてドライヤーの音が止むと友梨奈が困った様にリビングにやってきた。

「どうしたの?」
「...ショーツ、どうしたらいいか分かんなくて」
「また泊まっていくでしょ?洗濯機の中に入れていいよ」
「分かった」

脱衣所に戻っていった友梨奈に微笑んで私は携帯を弄った。
友梨奈が戻ってくると携帯を置き、ぽんぽんと隣を叩いて座る様促した。

「カレーだ」
「好き?」
「うん。好き」
「良かった。じゃあ食べよっか」

友梨奈は頷き、いただきますと呟いて食べ始める。

「理佐、美味しい」
「そう?」

嬉しくてにっこり微笑むとこくこくと頷く友梨奈を優しく見つめる。
私もカレーを食べて上出来だと思いながら食べ進めた。

「友梨奈さ、いつから私の事、好きだったの?」
「...ずっと前から好きだったの」
「...私もずっと前から友梨奈の事、好きだった」
「理佐の視線、ずっと感じてた」

恥ずかしそうに呟いてカレーを食べる友梨奈にバレていたのかと私も恥ずかしくなった。
しばらくして二人ともご飯を食べ終えて食器を片付けようと立ち上がった。

「理佐、私が洗う」
「え、いいよいいよ。友梨奈座ってて?」
「これぐらいさせて?」

あんまりにも可愛い笑顔で言われたから「...じゃあお願いします」と言って私はお風呂の準備をした。
新しい部屋着とショーツを箪笥から出して友梨奈にゆっくりしててねと呟いて、脱衣所で裸になるとお風呂に入った。



お風呂から上がって友梨奈の使ったタオルで身体を拭き、ショーツに脚を通して部屋着に着替える。スキンケアをしてドライヤーで髪を乾かした。
乾かし終えるとくしで髪を整えて眼鏡を掛けた。
リビングに戻るとソファーに友梨奈が座っていた。

「友梨奈、歯磨きして寝よう?」
「うん」

そういうと友梨奈は立ち上がり、私に近付く。
微笑んで手を握り、洗面台に二人並んで立つと、洗面台の下の扉を開けて新しい歯ブラシを友梨奈に渡す。

「友梨奈の歯ブラシね」
「ありがとう理佐」

二人で歯を磨き、口をゆすいでカップに歯ブラシを入れた。
友梨奈も同じ様にしてカップに入れた。
携帯を持つと電気を消して友梨奈の手を引いて寝室に入った。

「友梨奈は奥ね」
「うん」

ベッドに二人寝そべる。
私は友梨奈に腕枕をした。

「理佐痛くない?」
「大丈夫」
羽毛布団を掛けて友梨奈をぎゅっと抱きしめる。

「寒くない?」
「うん。理佐があったかいから」

こんなに可愛い彼女と寝れる日が来るなんて。
私は心底幸せだった。

「友梨奈おやすみ」

額に口付けて呟くとお返しに唇にキスをくれた。

「おやすみ理佐」

脚を絡ませて目を閉じた。


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