海外視察辞退 | 花咲く乙女たちのかげに

海外視察辞退

東京都議会の野党会派の一部がリオ・オリンピック視察を辞退するという。それ自体「このご時世」だから歓迎したいが、「辞退」という言葉にひっかかる。

Web上でいくつか国語辞典を調べたが、「辞退」というのは共通認識としては、「勧められたこと(たとえば叙勲)や既得の地位・権利を遠慮して放棄すること」のようだ。

そうすると、「視察を辞退」ということは、権利の放棄という意味合いを持つ。平たくいえば、税金を使って海外旅行をするというおいしい行事は既得権益なのに参加しないってことですね。

Internetはじめ情報があふれ、しかも日本人が世界中にいて、大使館のサービスだって使える現代に、わざわざ出かけて行ってみなくては調査できない事柄ってどの程度あるのか、あるとして、短期出張でわかることなのか、はなはだ疑問ではある。

とはいえ、もしもその視察が、もともと議会としての活動や識見の拡大や深化に役立ち、議員としての立場でいってみなけらば得られない情報が得られ、自治体にとって有益であれば、予算との兼ね合いもあるが積極的に行うべきだし、それに参加しないことは、「辞退」ではなく、「不参加」であり、場合によっては(たとえば自らの後援会活動を優先した場合など)「怠慢」といったっていいわけだ。

結論として、「辞退」と野党の人が表明したのは、どれだけ本人が意識していたかは不明だが、皮肉としては正しい用語の選択だったようだ。