ゾイドエヴォドライヴ雑感
というわけで、エヴォドライヴシリーズを全部遊んでみた。
私としては物自体に不満は少ないのである。それではない部分の問題点は後回しにして、いくつか気になった点を先に挙げておこう。
まず、ゴジュラスの塗装は箱に準拠した細かい塗り分けがほしかった。出来合いの物としてはハイエンドな商品であってほしかったのである。
次に、今さら仕様の変更はできまいが、ゼンマイの竜頭はいただけなかった。まずハイスペックZの仕様がありきで、それに合わせて設計した結果どうしても竜頭がはみ出る形になってしまったことは察せられるが、外見がなまじ凝っているだけにデベソ然とした異物が生えているのは厳しい。私としてはラチェットをオミットして見た目を優先してほしかった。高額なだけに破損防止のためのラチェットはありがたいと言えば言えるが、誤操作による破損は自己責任でかまわないのではないだろうか。対象年齢15歳以上になっているのだし。
一番気になったのが次の点だ。箱にしまおうと本体をトレーに入れてカバーを被せたところ、カバーが浮いてしまうのである。キャップをはめた分だけ横幅が増していたためだった。これでは箱に入れられない。きちんとカバーをするにはキャップをいちいち外さなくてはならないのである。
そして、そのキャップを外すというのがとんでもなく骨なのである。なにしろはめ込んだときもきつくて苦労したのだ。抜くのはもっと難しい。プライヤーでつかんだらモールドが潰れてしまったし……。トレーとカバーに最初からキャップの分の余裕を設けていてくれたらと思う。
重箱の隅をつつくような意見だと思われるかもしれない。しかし、こういう細かいところに心が行き届いてこそもてなしである。
さて、それではいよいよ物ではない部分の話をしようか。値段である。やはりエヴォドライヴシリーズの値段は高い。
原油高や生産地での人件費の上昇など社会情勢もあるし、なにより少数生産にせざるを得ないゾイド市場の現状がある。大人の事情でこの値段になったのは理解できる。が、心情的に納得できるかどうかとなると話は別だ。
なんとかもう少し値段を抑えて発売できなかったものか、少し考えてみよう。
値下げの手段としては大量生産大量消費が王道である。食玩やトレーディングフィギュアを例に取ろう。実はあの手の商品、本来とても数百円程度では売れないほど金がかかっているのである。これをブラインドボックスにしてダブらせ、色違いを混入して水増しする。そうやってコンプに求心力を持たせつつ、コンプから遠ざけて客単価を上げるのである。消費者が泣く泣くだぶりの山を築くのが前提で、安価に販売できるのである。うーむ、阿漕な手段だ。
これをエヴォドライヴに取り入れたら? カラー塗装版、オルタ風塗装版(ハズレ)、クリア版(ハズレ)と種類を増やし、ブラインドボックスで売る。しかもマリナーやダークホーンはレア。阿漕。さあ、大人買いしろ! でも一個3,000円な。あ、売れないか。やっぱり。
先刻、ゴジュラスをいじっているときにちょうど弟が部屋を訪れた。「こいつ、いくらぐらいだと思う?」と問うてみたところ、「いいとこ1,200円ぐらいだろ?」との返答が帰ってきた。これが普通の感覚だろう。まあ1,200円はさすがに安いとして、例えばせめてこれが3,000円くらいだったら皆納得して買うのではないか。
だが、3,000円で売れてもペイするだけの需要が見込めないわけだ。一個6,825円、組みで買うことが前提のバリエーション機を3,675円で売るという商品展開をしてようやく黒字が見えるという、なんとも苦い現実だ。
物は良い。だが高い。これが子供を切り捨てた大人向け展開の現実だ。だから、苦い現実の味が分かる、一部の大人ユーザーだけが買えばいい。若いファンは無理してこれに付いくることはないと思う。待てば海路の日和もあろう。
最近はゾイドないしメーカーに対する不満の声もひときわ大きく感じる。しかし、エヴォドライヴにしてもHMMにしてもバッシングして仕様が変わったり値段が下がったりする訳じゃない。不毛である。各人が楽しめる物を楽しめばそれで良いんじゃないか? ゾイドは所詮人の物で自分の物じゃないのだから、自分の思い通りの物が出るわけがないのだ。だから打てる球だけ打てばいいし、あるいは融通無碍に対処する技を身につけるのもいいかもしれない。ただ、ボール球に手を出して毒づくのは無駄なエネルギーの浪費なんじゃないかね。
■蛇足
エヴォドライヴシリーズのナンバリングについてであるが、ZED-1、ZED-2であってZED-01、ZED-02ではない。最初から二桁を想定していないわけである。完全新機種は無いのではなかろうかと思う。もっとも、シリーズ続々登場なんてことになったら財布に厳しいので微妙な気持ちになるだろうが(笑)。