12月になると、SpotifyのWrappedでその年を振り返ってみたり、メディアや個人がベスト オブ アルバムやソングを発表したり。わたしは順位をつけられないのでみなさんのツイートやブログを楽しく拝見するしかないのですが、SABAのライブは楽しかったライブ オブ ザ イヤーに決めました〜!
 
 
暦は師走な上、月曜に休むのをタブーとされている部署に身を置いているにも関わらず、何とか休みを頂いて大阪から見に行ってきました。休みを確保したその晩に、チケット譲りますのツイートを見かけたので、即DMを送って譲って頂きました。その節はお世話になり、ありがとうございました。お願い
 
 
会場に到着して待つこと約60分、今年サマソニで生で聴いたJorja SmithのOn My Mindが聞こえてDam DamによるDJタイムがスタート。彼らのシカゴフレンズ&先輩(Kanye)の曲や、Mac Millerに捧げるDang!、SICKO MODE、Mo Bamba、Ghost Town、Uproarなど今年を代表する曲で温度も湿度も高まる空間へと変わっていきました。今回はひとりだったので、慣れない東京で待ち時間そわそわしていたのですが、DJタイムが始まって音楽がかかるとそわそわも一気にぶち破られて気付けば強気?になって楽しむ自分がいました。笑
彼らのシカゴコネクションのひとりであるSminoが先月リリースしたばかりの『Noir』からKLINKを早速聴けたこと、1年前ならシカゴ代表として挙げられることも日本で聴けることも想像できなかったValeeの曲(Womp Womp feat. Jeremih)を聴けたのが個人的胸アツ高ぶりポイントでした。
 
 
体から湯気が吹き出しそうな沸点手前で、SABAが登場。(きゃーきゃーきゃー流れ星流れ星)
わたしがSABAのことを知ったのは2015年?2016年?だったかは忘れましたが、そのとき彼を見てまず思ったのが目がキラキラしてきれい!だということ。『CARE FOR ME』は彼がそれまでに経験してきた苦悩や悲しみを昇華させ、それらを乗り越えるプロセスの中で作り上げられた作品で、なかには傷口に塩を塗るような痛みが伝わってくる言葉や音楽がありますが、本作を経た彼の目はキラキラというよりは力強さを感じるきれいな目をしていました。
 
 
アルバム同様にBUSY / SIRENSでスタート。
BUSYの"Jesus got killed for our sins, Walter got killed for a coat"ラインは何度聴いても力が入ってしまいますが、コーラスではその手をゆるめて力を抜いて大きく手を振りながらシンガロングしたあの空気感はたまらなく気持ちよかったです。
SABAの呼びかけにガールたち(わたしも!)が前のめりに手を伸ばし、彼の"Girls!!"コールに全力でこたえてはじまったBROKEN GIRLS、リリックの"Calligraphy"のところで最高に優しい顔をしてこちらに手を差し出していたCALLIGRAPHY、毎度コーラスに癒されるFIGHTER、彼のラップに聴き惚れていたSMILEと、アルバムのトラック順に沿うように進行していきました。
CALLIGRAPHYのとき、スタンドマイクを前に手を動かしながらひとつひとつの言葉を紡ぐようにラップする姿を見て、昨年同会場で見たNonameを思い出しました。彼らが今のように活躍する以前、poetryやwritingを通して自己を表現することを培ったOpen Micの雰囲気を勝手に想像しながらシカゴを感じていました。昨年2月に亡くなったいとこのJohn Waltを追悼するJohn Walt Day先月24日(Waltの誕生日前日)に行われ、John Walt FoundationのIGライブで同イベントの様子を見ていたのですが、SABAがフードをかぶりうつむいて(おそらく涙をこらえながら)パフォームするのを見て不意に涙がこぼれました。今回のライブでは、この曲のアウトロで突然フードをかぶり出し歌うシーンがそれと重なって強く心に残る瞬間になりました。
 
 
前作『Bucket List Project』からもいくつか披露してくれました。イントロが聞こえたと同時にわたしの目鼻は全開し、前曲までのムードとはうって変わって両手を高く挙げてシンガロングしたWorld in My Hands、aye! aye! aye!をこちらに投げかけてこの日彼が一段とはじけていたStoney。で聴くとより一層スキルの高さが分かるフロウと、生だからこそ感じられた彼のあたたかくて明るいお人柄が漏れ出ていたステージ運びで終始わたしのハートは彼の手中にありました。Tokyo in His Handsラブラブ
つづいて、SABAのいとこであるJean Deauxを客演に迎えたPhotosynthesis。この曲のあとにSABAが、自分以外に好きなシカゴアーティストはー?と問いかけてきて流れを読まずにJean Deauxの名前を出しそうになったぐらい好きなアーティストです。10月にリリースされたJean DeauxのEP『Krash』は今回のライブとは関係なく『CARE FOR ME』を聴き直すきっかけ(←詳しくは別の機会に書けたらと思ってます)になった作品なので、2人が共演するこの曲が聴けるのを楽しみにしていました。『Bucket List Project』がリリースされた2016年に聴いていたときとは自分の中での響き方が少し変化していたのを今回感じられました。
 

先述した、自分以外に好きなシカゴアーティストはー?の問いかけに対してSminoやNonameの名前が聞こえる中、Chance the Rapperの名前が挙がり、Angels、LOGOUTへと続きました。Angelsはvideoの中でチャンスと踊っていたようにほんとに楽しそうで、撮った動画をこれ見よがしに友人に送ったらとてつもなく羨ましがられました。このときわたしはSABAがAngelsの客演をしているのをすっかり忘れていたので、反動的に声のボリュームが増していました。笑
わたしはバーのところで見ていて、前段に落ちないようにとばかり気をつけていたら、手を伸ばしすぎてて気付かぬうちにすぐ前にいた前段の方の頭を(サラッと)撫でていました。あの場では聞こえなかったと思うのでこの場で謝ります。ごめんなさい。。



Nonameを聴き始めるきっかけになったChurch / Liquor Storeをしみじみ聴いていたら、MOSTではしゃがむように促され、低い姿勢から跳び跳ねて会場の熱がまた上がってきたところでWestside Bound 3へ。彼が育ったシカゴのwestsideにあるAustinで撮影されたであろう同曲のvideoを思い浮かべながら、World in My Handsと同率ナンバーワン(←この日のわたしの中で)にはしゃいでいました。この上なく満たされた気持ちと、もっと他にも聴きたい曲があったし、もっとシカゴを感じていたかったと別れを惜しむ気持ちが入り混じる中、SABAは一度ステージを後にしました。

まだ終わらないでとSABAコールで会場が満たされると、Dam Damとともに戻ってきてくれました。スマホのライトをかざして、天国にいるWaltに届けるかのように集められた光の中でHEAVEN ALL AROUND MEをパフォーム。天を見上げながら"I promise y'all"を響かせていたのが忘れられません。コーラスのあとにビートチェンジし、着ていたTシャツを脱ぎ捨ていよいよラストを飾るLIFEへ。心にグサグサ刺さるラインの多いこの曲はアルバムの中でもお気に入り曲のひとつで、コーラスやヴァース2でフロウがスイッチするのも好きで、この日最高潮にかっこいい瞬間でした。ありがとうー!!!!!

 

日本の前に立ち寄ったオーストラリアでもソールドアウトを達成したのをSABAのマネージャーCristelaのIGストーリーで知りました。(Cristelaのインタビュー記事を見つけたので参考までに貼っておきます→https://djbooth.net/.amp/features/2017-03-27-meet-sabas-22-year-old-rap-mom)
2016年11月に行われたボストンでのショーがシカゴを飛び出して初のソールドアウトショーだったそうで、シカゴをさらに何マイルも離れたオーストラリアで達成できたことを喜んでいて、日本のファンからのラブを伝えるためにもソールドアウトが実現できたらな〜と願っていたので、SABAが渋谷のステージで何度もその喜びを伝えてくれていて嬉しかったです。


長々と書いてきましたが一言にすると、

 
に尽きます。


今年に入って書き始めたこのブログは今のところ3本しかドロップできてませんが、始めたきっかけは来日する予定だったDaniel Caesarのライブレポートを書く場をつくるためでした、実は。。
それはまだ実現できていませんが、今回ブログに残したくなるライブに立ち会えて良い形で今年を締めくくれたかなと思ってます。
来年も心動かされる音楽にたくさん出会えますようにお願い


fin.