笑顔を見せて Ⅰ | たった5ページのラブストーリー

たった5ページのラブストーリー

恋に悩んで次の一歩を踏み出せないあなたへ贈るショートストーリー

高校に入学し、僕はテニス部に入った。


クラスではなかなか友達が出来なかったが、部活では

すぐに友達が出来た。


授業は退屈だったけど、放課後にテニスが出来る事が楽しくて

毎日学校へ通っていた。


そんなある日、部活が終わり自転車置き場へ向かっていると、

一人の女の子が自転車の前でしゃがみこんでいた。


ショートカットで小柄な後姿に、少し見覚えがあった。

名前は知らないが、女子テニス部の1年生だ。

隣のコートで練習しているのを見かけた事があるので間違いない。


「どうしたの?」


僕が問いかけると、その子は少し固まった後に戸惑いながら

自転車のチェーンに視線を向けた。


チェーンがだらんと下に垂れている。

細見で小さな手が真っ黒になっていた。