その、酔っ払った男を担ぐと、奥まで続く道を歩き始めた。
道の両端は、様々な植物に覆われてしまっていて、周囲も家の中もよく見えない。
外の通りとは大違いだ。
そんな事を思いながら歩いていると、程なく道がなくなり、左手に庭がみえた。
庭の奥にいまどき珍しい日本家屋があった。
こんな処に住んでいるのだろうか?
と思うと、その気持ちを読んだかのように声がした。
「そこは・・・道場・・・」
いつの間にか男が意識を取り戻していた。
「家は・・・あっちだ」
男は道と反対側にある、先程通ってきた茂みの方を指さした。
茂みと思っていたのは、小さな小屋の周りを植物が覆っていたものだった。
「まぁ・・・寄ってってよ。お茶くらいいれるからさ」
と、その男はカギを出すと私に渡し、またうなだれてしまった。
やはり調子がよすぎる・・・運んだのを少々後悔したが、ここまで来てしまったので、とりあえず部屋の中まで運ぶことにした。