砂漠の喫茶店~森村誠一 退職間際の刑事が主人公の推理小説。最近よく散歩の途中に行くようになった喫茶店で数回見かけた美人が、喫茶店の前に犬をおきざりにし人里離れた山奥で死体で発見される。 都会の砂漠で生活している人々が、とある喫茶店をそのオアシスのように感じて集まり、なぜか偶然その殺人事件に様々な形で関わっている・・・というストーリーは、あんぐりとしてしまったが、設定としては面白さがある。 喫茶店に集まった人々というのは、刑事、タクシー運転手、元力士、元高級官僚、元新聞記者などだ。定年、転職あるいは挫折という人生の翳りを経験した人々が、都会のオアシスに集まり、共有する感覚をもって、お互いに癒されるという構図が描かれており、そんな設定に魅力を感じた。