医療業界では視診、問診、触診を指して3診という言葉があります。理学療法士でもこれらのことは当たり前のように行なっていると思います。もちろん、どれが1番大事とかはなく全て大事です。




ただ、今までの経験を踏まえて感じることは問診は特に大事だと思います。問診が上手であればある程、病態の把握が正確になり、正確であるからこそ的確な評価が行うことできる。すなわち治療も効果を出すまでに最短距離でいけます。



この最短距離ということがポイントで、いくら触診が上手でも例えば膝が痛いという患者がいたとしてどういう時?どこが?きっかけは?いつから?など知らずに触ってしまってはそもそも動かしていい状態なの?や階段の降りで痛いならあの組織に負担がかかってるのかな?などある程度アテをつける事ができないと結局全ての可能性を潰す必要が出てきてしまいます。




現在の外来クリニックでは1単位20分という限られた時間の対応となるため、無駄な時間は使えません。つまり問診である程行うべき評価を絞る必要があります。極端な話初めての対応は大部分を問診に当ててもいいとすら思いますが、話聞くだけでは患者が納得行かない人もいるため、ここはバランス感覚が求められますね。





問診で何を聞くかはネットなどで調べれば大体わかります。問題はこちらの知りたい事を素直に話してくれる患者はほぼいないという現実です。医療的な知識がなければ当たり前といえば当たり前。なので何を聞くよりどう聞くか、得た答えから何を汲み取るか、これは高い技術が要求されます。



また、さらに問題を複雑にするのが日本語という言語の特性。よく日本語には主語ない曖昧な言語と言われます。主語がないということは、文脈や雰囲気などから言葉の意味を探す必要があります。逆にいうとそれで意思疎通ができる凄い言語ですけどね。




私の職場でも、同僚が「あーあれ、あれをそっちにやっておいて」と他の同僚にいって意思疎通ができてしまうことも多々あります。でも、その場の空気、状況、文脈などお互いに共有できないと全く理解できないでしょう。文脈が重要になるが故に患者は症状とは全然関係ないエピソードを話すこともしばしば。




こう言った言語であるからこそ問題解決したいときには、抽象的な事はなるべく言語化、明瞭にしていく必要があります。腰が痛いといってもよくよく聴いてみるとそれはお尻ですねなんてことはザラにありますし、酷い時は腰が痛かったのは前の話で実は肩が痛いんですなんてこともあります。どこが痛い?と聴いたのに昔の話から始まるパターンですね。笑



日本語の良い悪いではなくこういった言語ということも知った上で問診する必要がありますね。