朝、政治ジャーナリスト鈴木棟一氏の永田町社稷会、講師は太田昭宏国交相。つい先日、予算委で集団的自衛権の問題で答えにくい質問を太田大臣に連投したばかり。今日も質疑応答で答えにくい質問を。私も提案者であるシンガポール型のカジノIRを実現する議員立法案について。太田大臣の答えはヒミツ。
7/17 9:41

国際法の研究者。同盟国に限定した集団的自衛権は違和感があると。集団的自衛権は集団安全保障の補完として作られた概念。国際社会の代わりとなって他国が助ける。一方、軍事同盟は陣営で世界を分断するもの。それが戦争の原因ともなった。だから同盟国だけを助けるのは国連憲章から見て変だと。ふむ。
7/17 14:22

ある国に急迫不正な侵害があって、これに反撃するのはその国の個別的自衛権。被攻撃国の武力が不十分な場合に国連中心で助けるのが集団安全保障。それまでの間に他国が駆けつけて助けるのが集団的自衛権。だから「他国を防衛する権利」と言われる。当然ながらこの基本を押さえて議論する必要がある。
7/17 14:48

引き続き自由民権運動の書物を読む。田中正造は自由党と立憲改進党の大連合を期待する民権家の一人だった。「各其長ズル処ニ誇ッテ他党ノ短所ヲ攻撃ス、決シテ社会一大結合ト云フベカラズ。…之ヲ合併シ其長ズル処ニヨツテ全力ヲ尽シ互ニ相親睦セバ我党ノ幸福ヲ図ル亦ナンノ堅キコト之アラザルナリ」
7/17 21:06

先ほどのは自由民権運動が最高潮の明治14年の田中正造の日記だ。それからどうなったか。自由党の板垣退助は立憲改進党を三菱財閥ヒモ付きの「偽党」と断じ撲滅を宣言した。そう言う板垣自身が政府の工作費が原資と見られる洋行にさっさと出かけてしまった。内訌とすり寄りが民権派を失速させたのだ。
7/17 21:26

この間、民権派は私擬憲法案を作った。植木枝盛も中江兆民も「五日市憲法草案」の千葉卓三郎も共通した哲学があった。人民の意思を徹底する民主制と大きな国家権力は両立せず、一国においても地方自治を重視する哲学だ。「日本国国憲按」で植木枝盛は日本を70独立州の連邦にする事を構想していた。
7/17 21:47

「五日市憲法草案」に以下の条文がある。「府県ノ自治ハ各地ノ風俗習例ニ因ル者ナルガ故ニ必ラズ之ニ干渉妨害ス可ラズ其権域ハ国会ト雖ドモ之ヲ侵ス可ラザル者トス」。まさに「地方自治の本旨」だ。しかし私擬憲法案を作った民権派は結局、内訌とすり寄りの果てに政府に帝国憲法の編纂と公布を許した。
7/17 21:47

昨年、皇后陛下も視察された「五日市憲法草案」の先進性。維新後わずか10年余、しかも平民の千葉卓三郎により起草された事実からも、わが国の市井の人々の驚嘆すべき見識の高さを示す。しかしそれがやがて民権派の内訌とすり寄りで対外拡張の国権論に回収されていく。歴史に“IF”はないが。
7/17 22:07

内訌とすり寄りによる民権派の失速。「維新」の先に「万機公論ニ決スベシ」の「民権」があったはずなのに、板垣の自由党と大隈の立憲改進党の同士討ちによって、「五日市憲法草案」の先進的な国家像を具現化するチャンスは失われてしまった。田中正造の危惧が現実になった。今、民権派は結集できるか。
7/17 22:07

「各其長ズル処ニ誇ッテ他党ノ短所ヲ攻撃ス、決シテ社会一大結合ト云フベカラズ。…之ヲ合併シ其長ズル処ニヨツテ全力ヲ尽シ互ニ相親睦セバ我党ノ幸福ヲ図ル亦ナンノ堅キコト之アラザルナリ」。田中正造の箴言をもう一度、丁寧に、その意味するところを噛みしめたい。私だけではなく、あなたも。
7/17 22:07