最新の共通テストの国語の話題。「漢文」は、第五問として位置づけられていて、配点は45点。問1は、本文中での文言の意味を問うものだけれど、全体的には今回も傍線部には漢文の語句の知識が必要となるものが多かった。うちの学校で副教材として使う『必携 新明説漢文』で解説のあるもの(※)を拾うと、
問2 「不必」必ずしも~ならず(※部分否定)
「不必不」必ずしも~ナラずンバアラず(※二重否定)
問3 「雖」いへどモ(※返読文字、逆接、仮定形)
「使」しム(※返読文字、使役形)
「然」しかリ(※動詞、接続詞)
問4 「不亦~乎」また~ずや(※詠嘆形、特殊な否定形)
問5 「請」~ントこウ・~ンコトヲこウ(※願望形)
問6 「因」よリテ(※接続詞)
問7 【資料】
「於」おイテ(※置き字、助字)
「但」たダ(※限定の意を持つ副詞)
「雖」いへどモ(※返読文字、逆接、仮定形)
「則」すなはチ(※接続詞)
その他、地の本文には、「非」(あらズ)、「可」(べシ)、「謂」(いフ)、「以為」(もつテ~トなス)などの文字も見える。重要漢字、重要句形というけれど、たいてい読めればなんとかなるようなもの。つまり、多くの受験生が、ほぼ確実に得点するし、落とせないところ。「漢文」は、こんな具合に「知識」で解ける問題が多いし、速く解答できれば、時間の大幅な短縮も可能となる。だから、国語の成績を安定したものにするのなら、漢文に強くなるのが必須の条件。本番でも、最初にここを確実に片付ける、という受験生は実際多いし、標準的な解き方だ。漢文で45点満点を安定させると、他のところで振るわなくても、例えば、全200点中、論説25点、文学30点、実用15点、古文25点、というぐあいに得点しても、合計140点となって、七割ぐらいにはなる。
というわけで、「漢文」を具体例にして、受験に向けた学習で参考になることを幾つか挙げてみる。
授業を中心に、最大限の効果を出せるようにするのは基本。予習時の、本文の書き写しの作業は大事。ただ書き写すのではなく、「分からないところ」を意識して書き写すようにする。例えば、「漢文」の場合、本文の漢字だけを最初に書き写し、それから訓読の仕方を覚えるつもりで、訓点(返り点や送り仮名)を後で付けていくようにする。そして、「副教材」などを徹底的に使い、自分なりに口語訳をできる範囲で作文してみる。そうすると、「わからないところ」がはっきりして、「授業で理解したいこと」がはっきりする。その状態で授業に臨むと、吸収する度合いが違ってくる。そうした下準備があってこそ、授業の中で、「あ、分かった! 」って感じるようになる。それが、「知識」として定着し、理解に繋がるようになる。
「副教材」は、どの教科でも、学校に届く数多く届く教材見本の中から先生方で話し合って決めているし、進学校でよく使われる定番のものを選んでいる。「覚えるべきことを網羅的に扱っている」のが学校で使う「副教材」の特徴。それに対して市販の「学習参考書」のいいところは、「入試でよく出題されるところをわかりやすく解説している」こと。とすれば、学校で使う「副教材」をベースとして、それをチェック表のように使いながら、自分好みの「学習参考書」をうまく併用するのも一つのやり方だと思う。使い方に注意したいのは、教科書ガイドのようなもの。あるいはインターネットで探した口語訳。頼ってばかりいると、すぐ見たくなって、ただ写すだけの、「考えない」癖をつけてしまいがちになる。
参考書の選び方だけど、これは個人的な好みや学習の到達度にもよるので、誰にでも合うものを決めるのは難しい。ただ、売れているかどうかは、信頼の目安にはなる。例えば、アマゾンの売れ筋のランキングや、書籍の後ろの方の発行年月日や第○版というようなところを見ると、古くからどれだけ多くの受験生に使われたかが分かるので、それで判断をする。
そうやって選んだら、「学習参考書」でつかんだポイントを、「副教材」の方に書き込み、マークして、一つにまとめてみる。何度も確認するうちにどこに何が書いてあるか、何頁のどこ、というふうに、いつも開くうちにいつのまにか覚えてしまっているという具合になるぐらいにその「副教材」を使い込む。そうやって、「副教材」をベースにした、授業でも受験勉強でも、何か不安があったら見る、「最強」と言えるような「自分専用の参考書」をつくってしまう。
もっと具体的に、「漢文」の場合に当てはめてみると、以下のとおり。
1年次の頃から副教材として使っている『新明説漢文』を基本の1冊とする。そして、例えば、「漢文」の『早覚え速答法』田中雄二(学研)というベストセラーの参考書をサブに使う。この参考書は、最初のものが1991年に出て、2001年に[改訂版]となって、2014年に[パワーアップ版]、そして、2020年に[共通テスト対応版]、2025年に最新の[パーフェクト版](これと同時に「読解トレーニング」という問題集も新登場)となった、「35年もの」。基礎固めが目的であれば、古本でも充分で、アマゾンでは、なんと一円~(送料別)。
この『早覚え速答法』を用いて、先ず、下準備として1日1章ぐらいのペースで、目を通し、よく読んで、『新明説漢文』に書き込みを入れながら、頻出のもの、外せないものを意識する。そして、授業の中で出てきたものをその度にチェックする。これまでに取り組んだ学校の課題の問題集や模試などを照らし合わせて再度見直して、自分の弱点とするところ、今の自分に何が足りないのか、をはっきりさせる。定期考査や模試など、折ある毎に繰り返し確認しながら、『新明説漢文』を、パワーアップした「最強」の1冊に仕上げていけるはず。
新しく受験生となる全国の3年生は、もう1・2年の学習内容を総復習して4月からの新学年に備えている、と聞けば、どうだろう。そんなの当然、と胸を張って言えるのであればいいけどね。

