今日の日経一面によると、会社法を改正して第三者割当増資の決議について株主総会を必須にする改正を検討するそうで・・・。もともと、条文上も、総会=原則、取締役会=例外として、未上場企業の場合は取締役会、上場企業(公開企業)の場合は総会決議にしている感じ(201条)。

この理由は、上場企業の場合、迅速な資金調達が求められるところ、総会を開く場合、株主が誰だかわからないので、株主を確定するために基準日確定→総会招集通知発送→総会開催となるので、2ヶ月近くかかってしまうため、その目的を果たせない。だから、資金調達は経営の一環として取締役会に任せたとうのが立法経緯。

この背景として、上場企業の場合、経営と保有の分離が徹底されており、株主で会社経営に興味がある人はいないはず、経営はあくまでもプロ?である経営者に任せて、株主は配当と株価値上がりという利益を享受するという考え方有り。この考え方を進めると、株主は経営に興味ない=誰が大株主になるか、経営に関与するかも興味がない=新株発行は株主の意見を聞く必要がない=取締役会で可能ということになるわけです。

一方、未上場会社というか株券譲渡制限会社の場合、株券を自由に売却できない=株主の利益は経営に関与することで達成=誰が大株主か、自分の株式シェアがどれくらいかは非常に重要=株主総会の決議が必要となるわけです。

今回の改正は一部の企業による第三者割当増資の悪用、増資後の反社会的勢力ののっとりがあったりしたため、動いているのだろうけど、法の趣旨を考えると失当のような気がします。

増資=総会にすると、事実上、上場企業は増資により資金調達ができなくなり、バブル崩壊前の間接金融市場主義に戻ってしまう=産業のイノベーションが消えてしまう(新規チャレンジの資金がない)し、最近の1部の上場企業の問題は市場が市場規則を改正して不適切な資金調達についての上場廃止事由を創設すればよいだけのような気がします。

金融商品取引法により、日本からかなりの運用機関と資金がシンガポールに拠点を移しておりますが、会社法もこんな改正をされるとドンドン日本から企業が流出してしまう恐れが・・・「白川の清きに魚住みかねて」という川柳がありますが、よくよく留意して欲しいものです。

まあ、ぎゃくに日本はイノベーション、革新を求める企業、ビジネスは出て行って欲しい、外で幸せになってほしいというのが目的ならドンドン法規制を強め、護送船団に経済運用を戻すべきだと思いますが。

経団連も反対なようなので、すぐには法改正はないと思いたいですが、最近の法規制は「●が憎けりゃ・・・」の世界になっているようで、どうも怖いですね。

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