皆、私を含めて名もなき、いちファンだ。
パッとしない席のチケットを大事に手にしている私たちは、間違ってもオークションで高値の神席など手に入れられる余裕の暮らしなどしていないし、コネもない。
それでもあわよくば握手する機会があるかもしれない、写真を撮るチャンスにめぐり合うかもしれない。
そんな奇跡的なことを夢見ながら、会場に向かう。
読んでもらえるかどうか分からない手紙を、読んでもらえると信じて一文字一文字思いをこめて書くように。

私たちは名前を覚えてもらえない。
呼んでもらえることなどない。
どんなに好きでも指一本触れることもない
何千といるファンの一人でしかなく
消えてしまっても気づいてもらえない。
それでも私たちは蘭寿とむのファンでい続ける。
彼女が与えてくれる
ときめき
夢
喜び
彼女が伝えてくれる
努力することの大切さ
まっすぐに正面を向いて歩き続ける姿勢
言葉から伝わる思いやり
私たちファンに向けられた愛情
それら手に取り触れることのできないものを介して、私たちはとむさんと繋がっているから。
幾千の名もなきファンの愛よ、届け。