「あなたはいったい誰ですか?」 (第16回 : 最終回)
1993年5月に三軒茶屋のアムス西武(現:西友三軒茶屋店)
5階の本屋で始まった旅は、寺山と沢田を両輪にしながら
岡村までたどり着きました。
では、私にとって
「あなたはいったい誰ですか?」
この質問に対する答えは得られたのでしょうか?
残念ながらそれは見つかっていません。
やっとその答え捜しの入り口に立てただけのような気がしています。
人間は何のために生まれてきたのか。
人生の目的は何なのか。
なぜ働くのか。
鈴木清氏は氏の写真集『天地戯場』の中でこう書いています。
「混沌とした天地[シャバ世界]に触れ
網膜にカスんでは消える意識の海原の中で、
分かろうとするたった一語[名づけるための]を探すこと・・・。
これからも、そのために千の写真を積まなければならない。
ま、徒労の疲れにこそ快楽はあるハズだろうから・・・。」
私も千の写真を積みながら、
魂の声に耳を傾け、
自分の心臓すら自分で自由に動かせない
自分の呼吸すら自分で管理できない
そんな自分とはいったい何なのかを問い続けていきます。
(終わり)
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この物語は19年前、私が29歳の時に写真学校の卒業論文として
書いた内容に加筆修正したものです。
当時の表題は
「あなたはいったい誰ですか
寺山修司と沢田教一、そして岡村昭彦から私へ」
参考文献
『書を捨てよ、街へ出よう』寺山修司 著 角川文庫
『寺山修司メモリアル』読売新聞社
『新文芸誌読本 寺山修司』河出書房新社
『新潮日本文学アルバム 寺山修司』新潮社
『ライカでグッドバイ』青木冨貴子 著 文集文庫
『カメラは私の武器だった』暮尾淳 著 ほるぷ出版
『戦争そのイメージ』ロバート・キャパ 著 井上清一 訳
ダヴィッド社
『鈴木清写真集 天地戯場』鈴木清 著 タマン・サリブックス
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