最近の藤井聡太四段の人気上昇で、また注目されてきた感のあるモンテッソーリ教育ですが、私は個人的に、モンテッソーリ教育の中でも、特に感覚教育が好きです。

 

モンテッソーリ教育には、算数 言語 文化(理科や地理)以外に、日常 そして 感覚教育というのがあるのですが、他にたくさんある幼児教育の中でも、モンテッソーリの【感覚教育】は他の教育アプローチとは一線を画し、モンテッソーリを他にはないユニークなものにしているような気がします。

 

もう20年も前の話ですが、アメリカでちょうどモンテッソーリ教育のトレーニングを受けていた時、感覚教育を体感する課題として、二人一組で、交互に目隠しをして、ペアを組んだ人と一緒に外を一周するという経験をしました。

 

ただでさえ目が見えなくて怖いのに、その状態で外を歩かないといけないので、視覚以外の自分の感覚を信じるほかないのですが、目が見えなくても意外と「見えてくる」ものもあるのだと衝撃を受けました。

 

風の匂いを感じたり、手の指先が敏感になったり、耳で情報をできるだけ受け取ろうとしたり。

自分が日々使っていないところが活性化される、という新鮮な気分です。

 

この時の経験を通して、人間は大人になるにつれ、どれだけ視覚に頼る部分が多くなってくるかということを身をもって感じました。

 

この経験の一番の収穫は、「あぁ、子どもは目隠しされていなくても、普通にこういう感覚をもって毎日生活してるのだなぁ」という大きな気づきだったのですが、子どもは、大人ほど視覚から情報を読み取らないので、五感を使って一生懸命それを体感しようとするのですね。

 

 

子どもの行動って不思議だなぁと思うことがあったら、一度、目隠しで色々やってみて下さい。子どもの気持ちに一歩近づけますよ。

 

それだけ私たち大人は、五感からいかに遠ざかった生活に慣れてしまっているか、ということですね。悲しいことに。

 

それは、案外大人が忘れかけてしまっている重要なことを、意外にも子どもたちが教えてくれているのかもしれませんね。