毎年この季節、この時期を迎えると、この句を思い出す
「花の命は短くて苦しきことのみ多かれど、風も吹くなり雲も光るなり。
生きている幸福(しあわせ)は波間の鴎のごとく漂渺(ひょうびょう)とただよい、生きている幸福(しあわせ)は、あなたも知っている、私もよく知っている。
花の命は短くて苦しきことのみ多かれど、風も吹くなり雲も光るなり。」と林芙美子が詠んだこの一節を思い浮かべる
人は冬の寒い間は、寒さにじっと身を潜めて耐えて待ち、桜の花の咲く春を待ち遠しく思い、蕾が膨らみかける頃には今日開くか明日開くかと待ち侘びていたのも束の間、桜はあっと言う間に開花する
我が家の庭にも大きくなった一本の桜の木がある🌸
家の前の道を行く人達が満開の桜を見あげながら、ウワーキレイ!!としばらく立ち止まってから通り過ぎて行く日が数日間続く
そんな日が一週間もすると春の強風に花びらの花吹雪が舞い、庭は花びらの絨毯を敷いたみたいに真っ白になっている
林芙美子が詠んだみたいに、桜の花は人々に束の間のしあわせと安らぎを与えてくれるが、そう長くは続かないものだと教えてくれる
我が家の桜は、初孫が生まれたのを祝って植えた苗木で、今年で22年目を迎えた
初孫はこの春就職して家を巣立って行った
もう一人の孫も家を出て一人暮らしの大学生活を始めた
林芙美子が詠んだ人生いろいろ、花も嵐も乗り越えて、これからは逞しく生きて行って欲しいと、親元を巣立って行った二人の孫にエールを送りながら祖母は、影から家の近くの神社巡りをしては祈願している