私が生まれたときは64歳で、それから82歳で天寿をまっとう。
同じ部屋で寝てたころもある。高校卒業まで18年間共に暮らした。
3歳で母と生別してからというもの、まさに母親がわりだった。
それはもう、いいおばあちゃんで大好きだった。
7歳のときに来た父の後妻に酷い目にあい、17歳のときが最悪だった。
私が最悪だった時期に、タケ婆も老衰で弱り切っていた。
あの後妻から逃げるため家を出た。恩人を置き去りに、自分の為だけに。
後妻は「早く行けいや」と追い出した。相手にしてはならなかった。
相手にすべき人、老衰のタケ婆を残し、私は人でなしになった。
今となっては、悔いて悔いて斬鬼に堪えない。
息が詰まるので、話を変える。
私は育ちが悪いと思ってきたけど、そうなのか。
育てたのは誰か、あの後妻ではない、高校進学に反対するほどだ。
タケ婆に、守り育てられたのだ。泥中の蓮だった。
あんなにも、いいおばあちゃんに育てられたのだ。
だったら、むしろ育ちはいいのではないか。
自分を卑下したら、タケ婆に悪い。誇りを持とう、持ってもいい。
こんなことを、タケ婆は言うのではないか。
……「おめえ、オラがついてるすけ、思いっ切り生きれ」と。
私の夢は、タケ婆の小説を書くことだ。それで、罪滅ぼしの一環としたい。
本当にいい人だった。今、笑っていると思う。