海辺のカフカ(赤坂ACTシアター) | てるてるのブログ

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あっちへフラリ...こっちへフラリ...

久しぶりに蜷川幸雄演出のお芝居を見に行った。


以前、蜷川幸雄さんが芸術監督を務める、
彩の国さいたま芸術劇場の近くに住んでいたので、
時々見に行った。


覚えているのは、

”から騒ぎ” ・・・・・・出演は、
   小出恵介、高橋一生、長谷川博巳、吉田鋼太郎・・

”エレンディア”
      南波、中川晃教

”ムサシ”
     藤原達也、小栗旬、鈴木杏、吉田鋼太郎

”身毒丸”
     藤原達也、白石佳代子、品川徹

”ガラスの仮面”
      夏木マリ、大和田美帆


多分上演は彩の国芸術劇場から
スタートしたと思う。


”から騒ぎ”は、最前席で見た。
小出恵介さんは初舞台だったのか、
まわりの演者さんの実力に圧倒されて
いたのか、ちょっとお疲れ気味だった。
でも、変に頑張らないで、演じていたのが、
好感を持てた。
それに、観客の多くは、小出恵介さんの
ファンらしかった。


”エレンディア”は、なんといっても、
南波さんの美貌と肉体美が圧巻。


”ムサシ”は、藤原達也さんと小栗旬さんが、
声が枯れてしまい、気の毒だったが、
鈴木杏さんの発声が素晴らしかったのを
覚えている。


”身毒丸”は、なんといっても
白石佳代子さんの演技が素晴らしかったが、
私は、品川徹さんに感動。華奢な体から発せられる
声のボリュームは決して大きくはないのだが、
芯の通ったはっきりした発声は、ものすごく
説得力があった。


”ガラスの仮面”も、最前列で観劇。
夏木マリさん、超素敵。


他にも見たような気がするのだが、
忘れてしまった(*v.v)。


高橋一生さんや、長谷川博巳さんは、
まだテレビには、出演されてなかったと思う。



それから、吉田鋼太郎さんは、
蜷川作品には、よく出演されている。

現在は、NHKの”花子とアン”で、
仲間由紀恵演じる蓮子の夫・嘉納伝助を
演じている。

新人は新人しか表現できない魅力があるけれど、
吉田鋼太郎さんなどベテランは、職人技のような、
安定感と渋み凄みを感じる。



なんか、話が反れてしまったが、
この日は、赤坂ACTシアターで上演される
”海辺のカフカ”を見に来た。




原作は読んでいないので、ちょっと心配。

でも、私の目的は、舞台での
宮沢りえさんと藤木直人さん姿。



席は二階席。

お客さんは、女性がほとんど。
中高年女性も多かった。




以前みた、蜷川さんの舞台もそうだったけど、
芝居の始まりの舞台セットが面白い。

今回は、時、そして場所・空間、を、
それぞれガラスケースに閉じ込めて、

それぞれの時、空間が自由に舞台を
行きかう。

主人公は、そのガラスケースの間を
さまよい、ある時は、そのガラスケースの
主体となり、

物語は、空間を行き交い、
時空を行き交い、進んでいく。



とても、難解な物語みたいだけれど、
この、舞台セットの設定は、
”すごい!”と思った。

この難解な物語を、

原作さえ読んでいない、
宮沢りえと藤木直人目当ての
こんな、私でさえ、

思わず、理解できる!かもって
感じさせてくれたのだから。



そして、宮沢りえさん、
素敵でした。

お芝居って、
その人の立ち姿の魅力ですよね!

一貫して、生命力というかエネルギーを
抑えて存在する役どころを、

清潔感もあり、また官能的に、

美しい肢体と動きで、表現して、

十分堪能しました。



藤木直人さんも、しかり。

低目のテンションの演技が心地よい。



”ナカタ”を演じた、木場勝巳さんの
演技もよかったけど、その発音の明瞭さに
びっくり。

台詞をはっきり聞きとるというのは、
以外に難しい。

大きな声で、ゆっくりなら、
聞き取れるというわけではない。

木場さんのしゃべり方は、
私のような、理解力・聴力が低下している者でも、
パーフェクトに聞き取れた。


”海辺のカフカ”
とても感動しました。


そもそも、私自身の心の重さ、テンションの低さと、

このお芝居の難解で、突き放したような荒涼感が

妙に共鳴しちゃったみたいです。









お芝居の始まる前、少し時間があったので、

TBS社屋や赤坂サカスあたりをプラプラしました。

TBS社屋脇にこんなスペースが、






それから、TBSグッズショップで、
ちょっとお買いもの。






低目のテンションもいいけど、

”倍返しだ!”
この勢いも、いいね!