674号 久しぶりに人事・採用の話...4 | 求人広告屋が語る・・・

674号 久しぶりに人事・採用の話...4

674号 久しぶりに人事・採用の話...4
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■求人広告屋が語る、若手を採用して悩んだ時に読むメルマガ
■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/10/19(674)━

久しぶりに人事・採用の話...4

あれこれと夢や希望の無い話を散々してきた。
・企業が安定的な雇用を約束できない時代になった
・優秀な社員は自分のスキルアップにしか興味が無いし、スキル
アップをすることでしか市場で生き残れない
という事実は、どんな問題が生まれるか。
個人主義に走る社員に対して、いかにして企業への忠誠心を生成
するかという問題である。

私はこの問題に対しては長年悩んできた。
私自身、20回の転職をしてきた人間である。
忠誠心という言葉からは最もかけ離れた場所を生きてきた。
私の見てきた「会社」に対しての忠誠心は、長く続かなかったこ
とは事実である。
忠誠心が無かった訳ではない。
勤めた会社には愛着もあったし、だからこそ儲けさせる為に心血
を注いだ。
確かに、私を会社に残しておきたいと考えたかどうかは解らない
が、しかし、忠誠心の生成に失敗したことは事実であろう。

では、いかにして忠誠心を生成するか。
一般的には、
1)個人のキャリア設計と企業の目的・目標を結びつける
2)権限移譲(変化と自由を与える)を行い、自立心と責任感を
育てる設計にする
3)師弟関係、先輩後輩、同期といった人間関係を大切にする

この3つで生成すると言われる。
私の場合は、ほとんどが1)が合わなくて辞めた。
会社側の変化か私側の変化か解らないが、とにかくこれだったと
思う。
では、この3つを昨今の企業に当てはめてみるとどうだろうか。
1)に関しては、口ではそんなエラそうなことを言っているが、
いざとなればリストラするし、儲けること(予算の達成)しか
言わない上司を信用できない、となる。
2)に関しては、JSOX対応で大きな会社ほど難しい。
3)に関しては、景気に連動した歪な採用計画で実態を伴うこと
が難しい、というような感じだろう。

そう、だから忠誠心ができあがらない。
一般的に言われている忠誠心の生成方法ですら実行が難しい企業
が増えているということだ。

これはどうすれば良いか。
社長(社内での最高責任者。もし会長が居て、その人の方が幅を
きかしているのならその人)が変えるしかない。
これは絶対だ。
私がコンサルタントとして見てきた経験でも100%間違いない。
まず、TOPが変わると、その周りの役員たちも変わる。
ここは、すぐに変わる。
変わらないとすぐに退任させられるので、伝導が速い。
そして、役員たちが変わると、マネージャー層の部下たちが変わ
りだす。
そうすると、現場が変わりだす。
この順番しかない。

確かに、この考え方は、経営層と現場とが乖離しやすい昨今の流
れからは矛盾があるように感じるかもしれない。現場職員は、企
業に忠誠を払うのではなく、職そのものや顧客への忠誠心で仕事
を続けるということが現実的であることも非常に多い。
しかし、その状態は必ず破たんが起きる。

どれほど、仕事が好きであったとしても、
やる気のない上司の下で、まじめに働く人はいない。
魅力のない上司の下で、忠誠心が育つわけがない。
まじめに働かない上に、忠誠心もなければ何をするか。
社員は自分の好きなことしかしなくなる。
そして、その組織は腐る。
腐ったら捨てるしかない。

これは全て、経営TOPが悪いから。
組織論だとかいろいろと言う人がいるが、全てはTOPの責任だ。
だから、TOPは何でもできる権利を与えられている。
権利があるのに行使しないのは、本人が悪い。
そもそも、できないなら退けという話。
だから、会社がうまくいかないのは全て経営TOPが悪いのだ。

人事教育もそう。
どんな人材が欲しいのか、どんな人材に育ててほしいのかを経営
TOPがきちんと人事部に指示を出さないから、人事部は求人広
告代理店と研修会社の言われるままになってしまう。
そして、もっともらしい広告と研修内容になってしまう。
なぜ経営TOPがきちんと指示を出さないのか。
興味が無いからである。
怖いのは自分に文句を言える人にしか、人間は興味は無い。
株主やお客さんの言うことは怖いから話は聞くが、社員の言うこ
となんて聞くわけがない。
だから、上手くやっておいてくれたら良いだけで、いちいちと経
営TOPが指示をだすわけがない。

そう言うと、「いやいや、有名な●●会社の社長は、完全に引退
(死ぬまで)をするまで、ずっと指示を出していた」という人が
いる。
その通りである。
実は、経営TOPにいるのに指示を出さない人は、経営TOPに
なりたかった人なのだ。だから、経営TOPになったので、指示
を出すのが面倒になるのである。
これは、下から上への組織生成の話だから起きる。
ちなみに、●●会社の社長は上から下へ組織を生成した人である
ことが多い。
つまり、スタートから経営TOPなのだ。
始めっから指示をだしている。そして、出し続ける。死ぬまでだ。

私は、経営TOPが指示を出さなくなったら、退くべきだと思っ
ている。昨今のような会社の寿命が短い時代の中で、最終的な
ジャッジ権を持った人が指示をしないという組織の会社は、
結局は歪な状態になると思っている。

つまりは、人事部がどれだけ頑張っても、社長がバカなら無駄だ
ということだ。
そして、社長が社員に興味が無い場合、社員が社長を教育する
ことはできない。

次号に続く

■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■
求人、人事、採用、広告、営業、イベント、人材派遣、適正請負
研修、講師派遣
のことなら 株式会社HRコンサルティング まで。
http://www.hrcon.jp/

甲斐輝彦の書籍購入はこちらから
http://www.kaiclub.jp/

公式サイト(カイクラブ)
http://www.kaiclub.jp/

ブログ
http://ameblo.jp/teruruto/

メルマガ登録・解除
http://www.geocities.jp/teruruto7/index.html
■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■≡■