著名な大学教授デヴィッドは、今日もテレビで自分の著書を解説している。表面的には「成功者」の彼だが、家庭はとうの昔に壊れ、息子とも良い関係を築けない。また、女性には愛よりもSEXを求める日々を送っていた。
そんな彼の前に美しい学生コンスエラが現れる。娘ほど歳の離れた彼女にデヴィッドはひと目で虜になり、親密な関係になる。しかし、いつか来る「別れ」を恐れ、デヴィッドは彼女との関係に一線を引こうとする。
「さようならコロンバス」などで知られるアメリカ文学の巨匠フィリップ・ロスの短編「ダイング・アニマル」を、自身が監督でもあるニコラス・メイヤーが脚本化。
仕事はできるが日々の快楽に身をゆだねている老教授が、若い女性と出会って激しい恋をする事で、自分の「老い」を再確認する。そんな大人の渋い作品を監督したのは、『死ぬまでにしたい10のこと』で一躍注目されたスペインの女性監督イサベル・コイシュだ。
細やかな心理を描くのがうまいコイシュ監督は、ここでも若い女性にひかれながらも、その「若さ」が自分を傷つける事を恐れるという、老教授の微妙な感情表現を引き出している。教授役のベン・キングズレーも名演を見せている。
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