15年前、大工をやっていた私のごつごつした手を見て
そう言って下さいました。
須賀野チイさん。
現役最高齢の女性彫刻家でした。
102歳で亡くなっていたことを知りました。
今年の1月でした。
ちょっと気になって、昨年ギャラリーに電話した時には
お元気でいらっしゃるとのこと。
安心していたのですが。
100歳になる直前まで創作活動を行なっていらっしゃいました。
巨(おお)きい人でした。
愛と祈りのかたち
須賀野チイ作品集
見返しのサイン
改めて写真集を見直しました。
見返しにサインを頂いたことすら忘れていました。
彼女が作った『飛翔』という作品が好きで
私も真似をして同じ物を作ったことがあります。
私の唯一の、彫刻作品になりました。
「ある一つの世界
何もないけれどすべてある」
その言葉の意味がやっとわかりかけてきました。
無性に鑿と彫刻刀を持ちたくなりました。
まだまだやり残していることがあるということに
改めて気づかせていただきました。