登場人物

 

    ミナ

   リングイネ

    スー

    テル

    魔王

    ノエ

    レイ

   リガトーニ

 ジン  (発言なし)

 

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     ペンネ

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        カッペじい  

 

さて 本題であるミナ達のカレー作りはどうなったんだろう? 

 

「リングちゃん お米は何とかなりそう?」 

「ハイ あのおにぎりのような お米の食感を再現するには  かなりの試行錯誤が必要だと思いますが 素材はありますので  頑張ってやってみます」 

 

「うん そっちは任せるね カレー粉は私が調合するから 具材は揃ってるし 大丈夫そうだね」 

「ハイ」  

 

調理場と調理器具等 必要な物は全てリングイネが用意してくれた  凄く熱心で助かったなと 

ミナは思った 

 

「よし!カレー粉はこれでオッケーだよ あとは具材を炒めて煮込むだけ 間に合いそうだね(^o^)」 

 

「ハイ 炒めるとは どんな調理法なんですか?」 

「え?油を絡めて熱するんだよ 油ってないの?」 

 

「イエ 油はありますが  調理に油を使う事はないので 知りませんでした」 

「もしかして 食用の油がないって事??」 

 

「ハイ 油は鉄製品の手入れや潤滑 後は灯り等に使うだけです」 

「しまった 確認しておくべきだった 油なしでカレーは作った事ないし どうしよう(>_<)」

 

「ミナ様 私に聞いて下さい」  

「そうか 聞いた事には答えられるんだったね じゃあ 料理に使える油はある?」 

 

「ハイ 普段は 武具等の手入れに使う物なのですが 食べても問題ない油はあります」 

「はぁ…良かった 直ぐに手に入る物なの?」 

 

「ハイ 市場に行けば いつでも売っています 

ただ 食べる為の扱いはされてないので  製造元で入手するのがいいと思います 

直ぐに手配しますね」 

 

「そうしてもらえると助かるよ リングちゃんがいてくれて良かったー(´ω`*)」あせる

 

油も手に入り なんとかカレーが完成 

晩餐会でのお披露目となった 

参加者は 魔王 ノエ ペンネ リングイネ カッペじい リガトーニ それとテル達 合わせて11人である   魔王が挨拶をした 

 

「みんな揃ったわね? 今日は記念すべき日です 普段私達魔族は 食べ物の味や香り 又 見た目や食感などは 一切気にしません 

 

何故なら それは魔力でなんとでもなる事だし そもそも食事は体を維持する為だけの物であって その行為自体を楽しむ物ではないからです 

 

でも人間界では 食事自体をより楽しむ為 いえ 食べる事に幸せを感じる為に 様々な創意工夫を凝らすのです 

 

ここにいるミナちゃんが作る料理は 完全に私達魔族の 常識を覆す物です  食べ物を美味しく食べる それがどんなに幸せな事か 

 

各々が実際に体験し その幸せな気持ちを 心に刻む日にしたいと思います ではミナちゃん 

あなたからも一言お願いねぇ」  

 

「えー!私がですか!? 何を喋ればいいんだろう」 びっくり  急に振られて混乱するミナ   すると

 

「別に構えんでもよいのじゃ 

どんな気持ちで料理を作っておるのか  聞かせてくれんかの」 

ノエが助言をくれた 

 

「あぁ そう言う事かー ビックリしたー   えっと  私は料理を作るのが好きです 何故かと言うと 

 

私が作った料理を食べて 美味しいって喜んでくれる人がいるからです  自分に出来る事で 

幸せを感じてくれる人がいるなら それはとても素敵な事です 

 

今日のカレーも 皆さんに喜んでもらえるように 愛情を込めて一生懸命作りました  沢山食べてもらえると嬉しいです」照れ 

 

「いいぞミナ よく言った」

 

テルが拍手すると 皆も揃って拍手した 

 

「ありがとうございます(*^-^*)」 

「さぁ 話しはここまでにして 早速頂きましょう」

 

魔王が言うと ノエが

「母上 ここは人間界の流儀で行きましょう 

みんな 人間界では食べる前に 胸の前でこうやって手を合わせて いただきますと言ってから食べるのじゃ」 

ちょっと不思議そうな顔をしながらも 魔界の人達も手を合わせた 

 

「ではよいかの?せーの」

       《いただきます》  

一斉に食べ始めた  

 

「うっほー♪  美味い美味い!

最高だよミナ」デレデレ

飛び跳ねながら喜ぶテル

 

「うん!これは凄いな  これこそカレーの真髄と言えるのではないだろうか  まさに記念すべき日だと言えよう」

 

レイは上手く味覚改変してもらえなかったので  むしろよくここまで耐えたと言うべきだろう 

 

今日のカレーは さぞ感慨深い物に違いない 

ジンも泣きながら無言で ひたすらカレーをむさぼっていた 

 

「ミナっち~ このカレーちょっと面白い食感の物が入ってるね~ でも上手くまとまってて 

とっても美味しいよ~」 

「食材にはちょっと苦労したんだ(^_^;)」

 

人間界の皆は久々の美味しい食事に 大喜びだったが  魔界の人達の反応は 少し違った 

ペンネとカッペじいは

 一口食べると  「うっ!」っと唸って そのまま固まってしまった 

    ゲッソリチーン

レイの隣にいたリガトーニは 何やら神妙な面持ちで ゴニョゴニョとレイに耳打ちしている 

 

リングイネは 満面の笑みで幸せを噛み締め その顔のまま大粒の涙を流した笑い泣き 

 

魔王とノエだけは 普通にカレーの美味しさを堪能していた 

 

「おい カッペのじいちゃんと羊のおっちゃん どうしたんだよ 

不味いとか言ったら ぶっ飛ばすからなw」 

 

固まったままの カッペじいとペンネに対して テルが声をかけた 

漸くハッと我に帰った二人 まず口を開いたのはペンネだった 

 

「まずい  これはまずいですぞ!」 

「おいコラ てめぇ 」   立ち上がったテル  

 

「いやいや 味の事ではないのですぞ 味はまさに私共の想像の遥か上を行く 究極至極の美味しさなのですぞ 

私は衝撃のあまり 暫く思考が停止してしまいましたぞ  

 

故に 庶民がこの料理の存在を知ってしまったら  暴動と略奪が起きるに違いないのですぞ 

そうなったら 魔王様はどうなさるおつもりですかな?」 

 

「あらそう?  考えてもみなかったわねぇ じゃあ 暫く内緒にしておきましょう」 

 

「魔王様 それが 少しまずい事になっておりまして」 

珍しくリガトーニが発言した 

 

「今もレイ様と話していたのですが」  と  さっきレイに耳打ちしていた内容を話した  

 

「レイ様  このような至高の味わいの物が 人間界ではごく当たり前の 家庭料理だと言うのですか?

この魔界においては 争いのトリガーになる程の味わいなのです」 

 

「そこまでの話しなのだろうか? ならば公表の仕方も  

慎重に考える必要があると言う事なのだね」 

 

「はい それと さっき見た大勢の民衆ですが  あれはこのカレーの香りを辿って来たに違いありません  何か思わぬ方向に噂が広がらないと良いのですが 

と話していたのです」 

 

「もう一部の民衆に知られてしまったと言う事なのね?」 

「はい  早急に手を打った方が良いのではないかと思います」

 

「そうですぞ 魔王様  早く手を打たないと手遅れになりかねません  のんびりカレーなんぞ食べてる場合ではないですぞ!  

全く 人間界の食べ物とは とんでもない物ですな!」 ガーン

大声でまくし立てるペンネ 

 

「おい!」  ドン!!   テーブルを叩いて再び立ち上がったテル 

 

「とんでもない物とは何だこのペン羊じじい! 

ミナは慣れない場所で一生懸命作ったんだぞ! 人の気持ちを踏みにじりやがって   謝れ   ミナに謝れよ!」ムキーむかっ

 

テルは本気で怒った  声で空気が震え 近くの窓ガラスが何枚か吹き飛んだ 

 

テルの体から炎のオーラか吹き出している  ツカツカとペンネに歩み寄り 胸ぐらを掴もうとした瞬間 スッと魔王の手が伸びて テルの手を掴んだ 

 

「それ以上は止めてねぇ いくらあなたでも この場での争い事は見過ごせないわ 

ここは私の顔に免じて 収めてちょうだい」 

言い方は穏やかだが 凄い威圧感があり 体が萎縮する感じかした これが魔王の覇気なのか 

テルの怒りの炎のオーラがスッと消えた 

 

「チッ 仕方ないな  マオしーの顔をたててやるよ」   手を引っ込めるテル 

 

「ありがとう 助かるわぁ 

でもあなたの怒りは十分理解出来るわ 私の思慮が足りてなかったわね  ミナちゃんには嫌な思いをさせてしまって 本当にごめんなさい」 

魔王はミナに頭を下げた 

 

「そんな でもビックリしました 私の料理で暴動だなんて(^_^;)」 

 

するとペンネが

「ぉおおぅおわぅ! まっ魔王様に頭を下げさせるとは このペンネ 一生の不覚 誠に申し訳ありません この通り この通りですぞ!」

 

ペンネは土下座して 頭を床に擦り付けた 

「分かったわペンネ  顔を上げなさい それにしてもどうしたの?  いつも冷静なあなたが 

あんなに興奮するなんて おかしいじゃない」 

 

「いえそれが 私にも分からないのですぞ これは想像なのですが 美味しいの副作用かもしれませんぞ」 

 

「フッ そんな副作用があるかよ なんでもカレーのせいにすんじゃねぇ」 

いかにも不機嫌そうなテル 

 

「それが そうでもないのよチェルしー  私も人間界で初めて料理を食べた時  理性を失いそうになったもの」 

 

「マジで? 普通に食べてたじゃないか」 

「そこは魔王の威厳てところよぉ 必死で我慢したわよ」 

 

「そうだったのか じゃあ 美味しいの副作用ってのも あるのかもね  抵抗力のない魔界の人達にはw」 

 

「あの 魔王様 少しよろしいでしょうか?」

リガトーニが割って入った  

 

「いいわよぉ 何か打つ手でも思い付いたのかしら?」  

「はい ミナ様に 女神様になって頂くと言うのはどうでしょう?」

 

「ミナちゃんを女神様に? どう言う事かしら?」 

「異世界からいらした料理の女神様が このカレーをお持ち下さいました  

 

あまりの美味しさに 是非魔界の民にも食べさせたいと こちらでもお作り下さいとお願いしたところ 

快く引き受けて下さいましたが まともに食材は揃わず  調理に使う道具もないので  仕方なく質を落として  どうにか完成させて頂きました 

 

それがこの LCカレーです と言って かなり味を抑えた物を提供すると言うのは如何でしょう?  

 

それでも こちらの民にとっては 十分美味しいはずですし  副作用もないと思います」 

 

「成る程 それはいい考えだわね ミナちゃん やってもらえるかしら?」 

「私が女神ですか!? 大勢の前で演説とかは無理ですよ(^_^;)」  

 

「ミナなら出来るだろう

(  ^∀^)」 

テルはいつでもミナの見方だ  

 

「大丈夫よ 取り敢えず 簡単で大量に作れるカレーのレシピを考えてちょうだい 

味はそこそこにねぇ」 

 

「わざとそこそこにするって 

やった事ないしなぁ(^_^;) 

じゃあスパイスの種類と隠し味を減らして  サラッとした 味わいにしましょう 

 

調理方法も手間を減らして簡単にすれば  味もそこそこになると思います」  えー?

 

そう言いながらも 残念そうな表情のミナであった 

少しでも美味しく いつもそう思いながら 愛情込めて作っていたので 敢えて適当に作って味を落とすと言うのは 

納得行かないのであろう 

 

「ミナっち~ ここは質より量だよ~ どれだけ早く沢山作れるか それもミナっちじゃないと出来ない事だよ~」 

ミナの表情を読み取って 

スーが励ました