「投げ」の発達に影響をおよぼす要因に、「社会科学的な見地」から考察する研究論文があります。

 Schanabl-Dickeyは、58名の幼稚園児(3~5歳)について、投動作と跳動作と両親の養育態度との間の関係を調べています。

・投動作
 オーバーハンドでテニスボールを全力
 投球する際の身体各部の動きをパターン
 分類
・親の養育態度
 質問紙法により4つの項目について得点化

 ①厳格(D:disciplinarian)
    ②寛容(I:indulgent)
 ③保護的(P:protective)
 ④拒絶的(R:rejective )





その結果

・投動作のパターンの優劣と
母親の「厳格さ」の間には”負の相関”

・投動作のパターンの優劣と
 母親の「寛容さ」と「保護的」には”正の相関”

因みに、跳動作パターンの優れているのは、母親が「厳格」である傾向にあった。とのこと。

 投手のご両親は、「寛容」、「保護的」かな?

 動作により、養育態度が影響するのかは、現場で確認してみょう。

 
 

(引用文献)
Schnabl-Dickey,E.A.:Relationships between parents' child-rearning attir-
udes and the jumping and throwing performance of their preschool children.
Res. Quart., 48:382-390,1977
(「投げる科学」(桜井伸二、大修館書店、P.204、1992))