前記事から続きます。
その1週間後の3月24日。
地域包括支援センターの加藤さんと、近所の内科クリニックへ『第三者の判断』をいただきに行きます。
朝8時半、クリニック前到着。
診察は9時からだというのに・・・・すでに2人並んでる〜
包括の加藤さんに電話して「私たちは3番目なので、9時ちょっと過ぎにいらして下さい。」と伝えました。
ところが・・・
8:50にドアオープンして受付に行くと、受付リストにはすでに4人の名前、つまり私たちは5番目。なーんと、前の2人はそれぞれ自分と子供の2人の受診。親だけが先に来て列に並んでいた、と。
「5番目ですので・・・1人15分として、50分〜1時間くらいですね。」という受付の言葉に愕然ですわ。30分前から並んでこれですかぁ・・・ ま、仕方ない。
間もなく加藤さんも到着。軽く打ち合わせ。
「病気とか通院のことだけじゃなくて、普段のことも話して下さい。例えば、自分のタイミングでお風呂に入れないと怒ってしまうこととか、そういうことも話した方がいいです。」
加藤さんが具体的に「こんな話も出していいよ」的に例をいくつか挙げて下さるが・・・私の頭パンパンで〜す
「あの・・・私、本番に弱いので、適当にフォローして下さい。」とお願いしました。
1時間待ちを覚悟していたというのに、意外とあっという間に順番が回ってきました。
加藤さんから先生へ軽く説明をしてくださいます。続いて夫から具体的なことをお話しました。
先生のリアクションは、正直なところ私の想定外でした。
それは明らかな問題行動です。
ウチへは「眠れない」ということでテルコさんは来ています。しかし高齢者の「眠れない」というのは、眠れないわけじゃないんです。実は充分に眠れてるんですよ。なのに、時間だけをみて睡眠時間が足りないと思ったりするだけで、本当に眠っていないわけじゃないんです。本人は「眠れない」「眠ってない」って言いますが、結構ウトウトしてるんですよ。別に睡眠薬を使ってまで、それ以上に睡眠を取る必要はないんです。
テルコさんに関しても、睡眠薬は必要ないので減らしたいんです。なのでなるべく弱いものを出すようにしていますし、1回に少ししか処方しないようにしてるんです。しかし、毎回「余分に下さい」っておっしゃるんですよね。
でね、ハッキリ言ってテルコさんの場合、ウチというより精神科の領域なんですよね。睡眠薬で解決する問題じゃないんです。
結局「眠れない」っていうのは、胃腸の不調のつらさを眠ってしまうことで感じなくさせたいってことですよね。
でもね、テルコさんの胃腸はどこの病院に行っても治りませんよ。
ウチでも胃腸のことを訴えて何種類も薬を変えて出してみましたが、どれも効かないということでした。
以前に大きな手術をされていますから、癒着とかも起きているだろうし、だから違和感もあるだろうし、不具合が生じるのも仕方ないんです。それを完全に消すなんてできないんです。
あのね、高齢者に多いんですよ。何にも感じない状態じゃなくちゃいけないって思って、ちょっとで何かを感じると「治さなくちゃ!」って反応する人が。
ちょっと便秘気味なだけで「お腹が!!」「便秘!!」「つらい!!」「苦しい!!」と大げさに訴えて下剤をもらいに来る。そして水下痢になるまで下剤をガバガバ飲んでしまう。で、「下痢だ!!」「つらい!!」「大変!!」って下痢止めをもらいに来る。今度は下痢止めを一気に飲んで「便秘!!」「苦しい!!」と言って、結局は座薬を使うことになったりね。こういう人がいるんです。
だからね、お母様の場合も同じで、何も感じない状態になんてできないんです。そのために「胃腸を治したい」「眠りたい」と求めるのではなく、「今の状態は普通の状態の範囲だ」と認識することです。体が悪いのではなく、感じ方の問題です。「これでいいんだ」って思えるようにするしかないんです。
普通の人だって、いつも完璧なわけじゃないじゃないですか。なのに、「いつも完全に何も感じちゃいけない」に執着して、普通の人ならそのくらい気にしないような痛みや違和感に「大変だ!病気だ!つらい!治さなくちゃ!」って過度に反応しているんです。治せないもの、治す必要のないものに対して、ものすごい不安を感じてパニックになっているんです。そこはもう、精神科の領域だと思うんです。
ですからね、お母様は基本的に病気じゃありません。だから「どこがつらい」と言われても病院に行く必要はありません。それより精神科です。今のお話を聞いても明らかに問題行動ですし、それではご家族が大変です。
私からもね、睡眠薬で解決することじゃないよ、という話はそれとなく何度もしてきたつもりですけどね、やはりお母様には伝わらなくて・・・・
先生のおっしゃること、
すーーーーーっごくわかります!!
実際に、あれだけ手術で内臓を切除しているのだから、消化能力が半人前なのは事実だし、そこへ一人前の食事では胃がもたれて気持ち悪いのも当たり前。
だけど、その不快感に過度に執着している、と。「こんなもんだ」と思えれば流せる程度の不快感でも、「食べなくちゃ!」「栄養つけなくちゃ!」「痩せちゃう!」・・・いろんな不安がその不快感を何百倍にも増大させているようです。
体の問題ではなく、心の問題、かぁ。
「問題は、どうやって精神科に受診させるかですよね。物忘れ外来ぐらいならまだ連れて行きやすいんですよ。でもね、精神科は難しいですよ。行きましょうって言ったって行くわけないですから。行ったとしても、「なんでこんなところに連れて来たのよ!!」って暴れるでしょう? それじゃ通院なんて継続できませんよ。だからね、ボクとしてもどうしていいのかわからないんです。」
先生、その通りだよ。問題は、どうやって精神科の受診に承諾させるか。無理やり連れて行ったって、その後の通院につながらない。
ここについては、先生から少しずつ少しずつ、テルコさんへ話をしていってくださるそうです。
ということで、
私、スッキリしました!!
結論としては、
- テルコさんの体は悪くない(もちろん骨粗鬆症とか歯科は別として)
- だから、病院に行く必要はない
- ということで、私の通院付き添い問題もなくなった
- テルコさんに必要なのは精神科の治療
そこで、加藤さんには改めてこのようにお願いをしました。
「であれば、なおさら、母へは自立支援での協力をお願いしたいと思います。
今日の先生のご意見でも、母の「出来ない」は単なる甘えで、本当はできるということでした。面倒くさい、楽したい、というだけだとハッキリしたのですから、自分でできることは出来る限り自分でやれるように、というところを目標にしたいです。
折角二世帯住宅で自分の台所もお風呂もあるのですから、自立して生活してもらえれば、通院付き添い以外の私の困りごともほぼ解決します。自立を目指すことが本人にとっても、家族にとってもメリットがあります。
ですから、まずは母に対して自立への意欲を向けるところからご協力いただけると助かります。ご検討いただけないでしょうか。」
この私の希望が包括で採用されるかどうかはわかりません。良い返事を期待したいところです。
それにしても・・・
テルコさんにしても、私にしても、ストレスの原因は「ありもしない不安」「気のせい」ですかぁ
さすが親子だよ。
私はテルコさんに似てるなんて認めたくはないけどさ、長年一緒にいるせいか、遺伝子学的な理由かは不明だけど、こういうところで「似てる」ということがあったんだねぇ。
『第三者の判断』なんて、いつ、何に役立つんだろう?って思いつつのクリニック訪問でしたが、
行ってよかった〜
本当に楽になりました。
これからはテルコさんの「病院に連れてって〜」に、堂々と「行かない」って断れるわ。
そうやって断り続けてテルコさんが病院に行かない状態が続いたって、そもそも病院に行く必要がない体なんだから、オッケーよね。罪悪感も生まれな〜い
いろんなこと頼まれたって、堂々と「自分でやってね」「できるでしょ?」って堂々と突き放せるわ。
だって自分でできるはずってお医者さんが太鼓判を押してるんだもん。
今までね、「突き放したい」と思いつつ、その手加減がわからなかった私たち夫婦でしたが、そんなリミッターも外しちゃってオッケーみたいね。
ってことで、
ひとまず一件落着!
いや、まだこれといったアクションは何もないんだけどね、特にテルコさんに対しては何もまだないんだけどね、でも、とりあえず私の両肩にのしかかっていた重いものがなくなりました。
これから先、自立支援の件もどう動くかわからないし、精神科に行ける日が来るかもわからないし、いつかはテルコさんも本当に介護が必要な介護度になるとは思うけど、それはその時にまたここでシェアさせていただきますね。
さて、と。
またテルコさんのアホな日常エピソードを書いていきましょう